東京・六本木の国際文化会館などを会場に11月16日から3日間にわたって開催された第23回CBMCアジア太平洋大会。日本CBMCと韓国CBMC東日本連合会、華人CBMCが主催し、アジア太平洋地域にある全CBMCの協賛を得て、東京での開催が実現した。(関連記事:日本の国会議員やアジア各国のリーダーが参加 第21回日本CBMC国家朝餐祈祷会)
アジア各国のクリスチャンリーダーがオンラインで参加する中、初日の夜には華人CBMCから日本横浜華僑キリスト教会の藩文后牧師が「世界中の中国人への大宣教命令」をテーマに講演。2日目午前には韓国CBMC東日本連合会から株式会社永明の呉永鍚(オ・ヨンソク)会長が「大宣教命令のための起業家・ビジネスリーダー」をテーマに、午後にはCBMCベトナムからル・ティ・ホアン・アイン医師が「ベトナムのパンデミック状況下におけるクリスチャン医師の使命」をテーマに講演した。
神から与えられた機会をつかむ
藩牧師は、ユダヤ人滅亡の危機が迫る中、王に近づくことをためらうエステルに養父モルデカイが言い送った言葉「この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか」(エステル記4:14)を引用。「クリスチャンのビジネスリーダーとして、どのように神に仕えるべきか。世界が同じ痛みや苦難に直面しているときに、深く考えなければならない」と問い掛けた。
どうしたら神から与えられた自分の使命をつかむことができるのか。「あらゆる機会をつかまなければなりません。機会をつかむとは、タイミングとチャンスをつかむこと。どうやってチャンスをつかむのか。それは、今行動すること」と藩牧師。「クリスチャンであるならば、実を結ばなければなりません。福音を伝えないならば、言い訳ができない。今、機会をつかみましょう」と呼び掛けた。
藩牧師は、「私たちの日数はすでに数えられている」と話し、人生という時間に限りがあることを強調した。「日数を数えてみると、多くの時間を無駄にし、多くの機会を失っていることが分かります。どうか今日、チャンスをつかんでください。神の福音を宣(の)べ伝えてください」と訴えた。
他者の痛みに目を向け、ささげるリーダーに
呉氏は、日本に来て経済的に苦しい生活を送る中でも、十分の一献金を忠実にささげ続けたことで、今では事業が成功し、教会のために多くささげられる者へと変えられたことを神に感謝した。逆境の中でもいつも神の導きがあり、その導きに素直に従うことで不思議と道が開かれていったことを証しし、「このようなところで証しができるというのは、私の後ろで共におられる神様の力。神様が私に力を与えてくださる」と神に栄光を帰した。
呉氏に続いて登壇した趙南洙(チョ・ナムス)牧師(日本同盟教団招待キリスト教会主任牧師)は、イエスが少年のささげた5つのパンと2匹の魚で男5千人に食べ物を与えた奇跡(マルコ6:34〜44)を引用。「少年の犠牲を用いて、主は奇跡を行われた。人のために、自分に与えられたわずかなものでもおささげしますというリーダーは用いられる」と励ました。
大勢の群衆を見てイエスが深く憐(あわ)れんだことに触れ、「彼らの苦しみを自分の苦しみにして、彼らの痛みをご自分の痛みにした。彼らの悲しみが自分の悲しみになった。それが、主イエス・キリストが奮い立たされたポイント。リーダーがこの世界をどのように見るべきかを教えている気がする」と話した。
弟子たちはイエスの言葉通り、パンと魚を群衆に配り続けた。「もともと自分のものではないから、配るときには遠慮なしに配ったと思う」と趙牧師。「そこには高慢さがあり得ない。謙遜に彼らは運ぶ。配ってあげたら相手は笑顔になる。周りの人々が幸せになることがあなたの幸せなのだとイエス様が教えている」と語った。
テモテへの手紙第一6章7節「私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません」を引用し、「そうであるならば、生かされている今の時、一生懸命に運び、皆に持たせる。これが、キリストの弟子の歩みではないか。人々の幸せが私の喜び。それが、主イエス様が十字架の上で、完了したという宣言とともに受けられた喜び」と伝えた。
大切なのは「調和」 争いではなく平和へ
ホアン氏は、同僚の医師やビジネスリーダーの友人らと共にコロナ禍で行ったさまざまな支援活動を報告しながら、働きがうまく機能するポイントは「調和」にあると語った。
「神様との良い関係を持つことで、共に調和して働いていける」とホアン氏。体にある206もの骨がすべて正しい順序で組み合わさることで人はまっすぐに立てると語り、「一人一人は骨のようです。神様は私たち一人一人を、御心に従える場所に置かれました。神様の祝福のうちに一人一人を用いてくださいます。そして、全員が必要なのです」と話した。
また、骨と骨の間にある軟骨が摩擦や衝撃をやわらげる働きを担っていることに触れ、「軟骨のように、私たちは人々を争いではなく、平和のもとに集わせるべきです。それによって、神様からの報いを得ることができます」と話した。
「聖書は私たちの最も大切な鏡」と語り、「あなたの命は神様からの贈り物です。それをどのように使いますか。それは、神様にあなたがお返しする贈り物です。ですから、互いに手を取り合いましょう。共に調和を持ち、人々を神様との平和に導きましょう」と呼び掛けた。