多くのユダヤ人難民を救った外交官・杉原千畝の生涯を描く一人芝居で知られる俳優の水澤心吾(みさわ・しんご)さんが11月29日、朗読劇「愛やさしい嘘」を東京・御茶ノ水のお茶の水クリスチャン・センターで上演する。共演は、テレビや舞台を中心に活躍する女優の山本みどりさんと、フリーの女優・モデルとして舞台や映画など幅広く活躍する佐藤絵里佳さん。
定年後、認知症を患った沢田は、介護の支援を受けながら暮らしている。介護ヘルパーの加藤は、沢田の身の回りの世話をしながら、沢田の話を聞いてノートに書き留める「聞き書き」を日課にしている。老いとともに、年々薄れていく記憶だが、生い立ちから思い出した断片を語ることで、記憶が時折鮮明によみがえる。だが、時に思い出したくない忌まわしいこともよみがえり、沢田は発作を起こす。特に沢田の亡き妻への思いは、若気の至りの後悔を募らせた。しかし、「聞き書き」を続けていくうちに、赦(ゆる)しにたどり着く奇跡が起きる。それは優しいうそに包まれた愛だった――。
水澤さんは、NHK朝のテレビ小説、大河ドラマなど、テレビ・映画・舞台を中心に活躍。演者としての苦悩、挫折を経験する中で、クリスチャンであった杉原千畝の影響を受け、自らも信仰を持った。杉原の生涯を描く一人芝居「決断 命のビザ」をライフワークとして演じるほか、最近では信仰者の生涯を描いた朗読劇にも挑戦している。朗読劇のレパートリーはすでに10作品となり、海外での公演も行っている。本作は水澤さんのオリジナル作品。
入場無料(活動自由募金あり)。開演は午後2時(開場同1時半)。問い合わせは、メディア21(電話:06・6345・2800、担当:増田)。