神は、むかし父祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろいろな方法で語られましたが、この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました。神は、御子を万物の相続者とし、また御子によって世界を造られました。御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現れであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。また、罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右の座に着かれました。御子は、御使いたちよりもさらにすぐれた御名を相続されたように、それだけ御使いよりもまさるものとなられました。神は、かつてどの御使いに向かって、こう言われたでしょう。「あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。」またさらに、「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」(ヘブル1:1〜5)
人は家柄を気にするものです。特に、政治家や土地の貴族階級の人々は、家柄で結婚相手を決める傾向にあります。恋愛結婚が多くなった今は、男女の出会いや一時的な感情による結び合わせで、不特定多数の中からの結婚という形になりました。
聖書の教えにおける、結婚の結び合わせや関係すべき家柄については、かなり厳格なものが多く、12部族であれば同部族内での結婚が推奨され、異邦人との結婚は禁じられています。神の民の、信仰の純血が保たれるためです。
1. 終わりの時
神は、むかし先祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろいろな方法で語られましたが、この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました。(ヘブル1:1、2)
「神は、むかし」「預言者たちを通して、多くの部分」「いろいろな方法で語られました」とあります。聖書は旧約39巻と新約27巻の全66巻から成り、12使徒と12部族の複数の預言者たちによる複数の方法で、神の真理の一部が複数の書巻に分けて書かれてきました。
旧約聖書は紀元前1500年から紀元前500年まで、新約聖書は西暦50年から90年までに書かれたものです。「むかし先祖たちに」とあるのは、イエス以前にイスラエルの民が書き残した旧約聖書のことです。旧約聖書の時代は、預言者や祭司から守るべき正義と公義と訓戒が民衆に伝えられていて、違反があるたびに罪が増し加わり、罪からの刑罰が伴い、死と悪魔の支配に下ります。
「この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました」とある意味は、イエス・キリストの生誕と十字架刑以降の救いが完成した時代には、神の子キリスト・イエスによって弟子たちにキリストの福音が語られ、新約聖書が書き残されたということです。イエス・キリストの新約聖書の時代からは、イエスを御子キリストと信じる人は義とされ裁かれることがなく、神の子とされ御国に入れられ、このキリストの福音によって死と悪魔から救われます。
聖書は一貫して、天地を造られた神と神の似姿としての人間、神の選びの民と信じる者たちが神の子とされることを語ってきたのです。そして、この終わりの時代には、救い主キリストの現れと罪による死と悪魔の支配からの救い、天の御国に入れられること、キリストの福音が新約聖書により語られています。
2. みことば
神は、御子を万物の相続者とし、また御子によって世界を造られました。御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現れであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。また、罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右の座に着かれました。(ヘブル1:2、3)
「神は、御子を万物の相続者とし」「御子によって世界を造られました」とあるのは、神が御子キリストを独り子として「万物の相続者」とし、また、御子を将来の所有者として万物の創造主としたという意味です。御子キリスト・イエスは、万物の根源である神の相続者で、所有権のある万物の創造主だったのです。
「御子は神の栄光の輝き」「本質の完全な現れで」「力あるみことばによって万物を保っておられ」とあるのは、御子キリストが神性の光を人間に輝かせ、神の存在と全知全能と愛を完全な形で現し、万物を神のことばで保っているという意味です。
御子キリスト・イエスは、誰も見ることも知ることもできない ①「神性の輝き」であり、②「神を認知させる現れ」であり、さらに ③「万物を、みことばで統治している」のです。
「また、罪のきよめを成し遂げ」「高い所の大能者の右の座に着かれました」とあるように、御子キリスト・イエスは、2千年前に十字架の死によって人類の罪を贖(あがな)いきよめて、神にある万物を相続しました。
神のご計画通り、創造主キリストは人間の罪のきよめを十字架の死で成し遂げて万物を相続し、創造者が所有者となり、万物の統治権が御子に与えられ、今は、御子のみことばで統治されています。
御子キリスト・イエスが「みことば」で、「行け」と言えば御国の力が総動員されて「行く」のであり、「来い」と言えば御国の力が総動員されて「来る」のです。
3. わたしの子
御子は、御使いたちよりもさらにすぐれた御名を相続されたように、それだけ御使いよりもまさるものとなられました。神は、かつてどの御使いに向かって、こう言われたでしょう。「あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。」またさらに、「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」(ヘブル1:4、5)
「御子は、御使いたちよりもさらにすぐれた御名を相続され」「御使いよりもまさるものとなられ」とあります。天地創造の時点での御使いのうち、神を裏切った天使長と天使の3分の1は地に落とされ、悪魔サタンと悪霊どもという地の支配者の名を相続しました。天に残った御使いたちは、戦いの天使ミカエルと啓示の天使ガブリエル、人間たちの守護天使、天と地を行き来する天使、御国の天使という御名を相続しました。しかし御子キリスト・イエスは、万物の統治者、御国の統治者、父なる神の子という御使いたちよりも優れた御名を相続されました。
「あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ」(詩篇2:7)、「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる」(1歴代28:6)と神が御子に言われたのは、イエスが死んでよみがえり、神の独り子キリスト・イエスとして生まれ、万物の相続者となり、御子キリストとして、父なる神との父子関係が成立し、万物相続のご計画が完成されたということです。父なる神と親子関係にあるのは、御使いたちでなく、御子キリスト・イエスだということです。
「神は、イエスをよみがえらせ、それによって、私たち子孫にその約束を果たされました。詩篇の第二篇に、『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ』と書いてあるとおりです」(使徒13:33)
御使いは、神と人とに仕える霊として創られた、という聖書のことばによれば、キリストが御心のご計画に従って、十字架の死にまで従い、死からよみがえったことで、キリストは神の子として万物を相続し、万物を統治する者となり、御使いたちをも従える高い地位についたのです。
まとめ
- 御子キリスト・イエスは、神のご計画において、神と人間との関係を回復し、天地万物を相続し御国を完成するために、地上に人として生まれ、御使いよりも下にされ、十字架の死にまで従いました。
- キリストが万物の統治者になるためには、父なる神の独り子であることが第一条件で、地上にある悪魔の支配権を御子キリスト・イエスが取り戻し、独り子として相続した統治権と統合し、万物の統治権は御子キリスト・イエスのものになりました。
- イエスを御子キリストと信じる者は神の子とされ、御子キリストと共に御国を統治することになります。これが、キリストの福音であり、死と悪魔から救われた者たちが与えられる、神の子としての特権です。
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