シンガポールで現地時間12日午前9時(日本時間同10時)から始まる史上初の米朝首脳会談を前に、世界教会協議会(WCC)は会談の成功に期待を示した。
WCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事(ノルウェー教会牧師)は、「われわれは、朝鮮の人々を苦しめてきた植民地支配、紛争、対立、分裂という長く悲しい歴史に変化をもたらす、何か新しいものがこの会談から出てくるよう祈っている」とコメント。「この会談が平和的共存、正義、統一のための新しい可能性を生み出すことを祈る」と語った。
また「われわれは、すべてを新しくされるいのちの神が、政治指導者たちの心と思いを、平和と正義へ向けた新しい道へと導いてくださることを祈る」と続けた。
会談は、シンガポール南部のリゾート地セントーサ島にある高級ホテル「カペラ」を舞台に行われる。米国は北朝鮮に対し完全な非核化を求めており、どこまで道筋を示せるかが最大の焦点となっている。また、両国の関係正常化や休戦状態にある朝鮮戦争の終結などについても議論される見通し。
米ホワイトハウスの発表(11日付、英語)によると、米国のドナルド・トランプ大統領(71)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(34)は初め、通訳だけを挟んでの「1対1」の会談を行い、その後高官らが同席する拡大会合、食事を交えたワーキングランチを行う。
拡大会合には、米国からはマイク・ポンペオ国務長官、ジョン・ケリー大統領首席補佐官、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らが同席。ワーキングランチには、サラ・サンダース大統領報道官、ソン・キム駐フィリピン大使(元駐韓大使)、マット・ポッティンジャー国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長らが同席する。会談が終わった後、トランプ氏は成果を記者団の前で発表し、午後8時(日本時間同9時)ごろには帰国の途につく。
報道によると、トランプ、金の両氏は10日にシンガポール入りし、個別にシンガポールのリー・シェンロン首相と会談した。10日夜にシンガポールの大統領官邸「イスタナ」で会談した金氏は、シェンロン氏に会談開催の受け入れについて謝意を示した。11日昼に同じくイスタナで会談したトランプ氏は、昼食会に出席し、シェンロン氏に謝意を示すとともに会談の成功に意欲を見せた。