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聖山アトス巡礼紀行

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人

2016年9月3日13時24分 コラムニスト : 中西裕人
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関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス

この旅で大きな期待を持っていた1つに、シモノスペトラ修道院がある。

ここは、アトスのことをネットや書籍で調べると必ず、最初にヒットするといっても過言ではない修道院であり、写真でありながら、その絶景に誰もが声も出ないほどの感動を覚えるものである。

ヴァトペディ修道院を後にし、カリエへ戻り、ダフニ港行きのバスに乗り込む。

ダフニ港では、午後1時着のウラノーポリから出た船が到着するのを待つ。そこから、その船でアトスを出て現世に戻る者、小さい船に乗り換え、半島の南を目指す者に分かれるのである。われわれはその南を目指す船に乗り込む予定である。

ダフニ港の昼過ぎは、アトスへ来る者、去る者、半島の南を目指す者、そこから戻って来る者と巡礼者たちでごった返すことになる。お土産屋が2軒、商店が1軒に、カフェが1軒だけあり、皆思い思いに就航時刻まで船を待つ。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人
ダフニ港

そこでふと、下に目をやると、段ボールに子猫の姿が。母猫が怖い顔で近づくなと牽制(けんせい)しているが、子猫たちは興味津々に段ボールを出たがる。

ここアトスでは、1400年以降女人禁制を敷いている。女性は、この地を自らの土地とした生神女マリヤ(キリストの母)様だけであるという考えからきているが、家畜まで全てオスという徹底ぶりである。そんな中、ネズミ退治のために猫のみはメスが存在するのである。つまり、繁殖はこの猫だけなのである。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人

出発時間になり、少し小さめの南行きの船に乗り込んだ。美しく透き通るエーゲ海の海、魚たちも気持ち良さそうに泳いでいた。しばらくすると、エーゲ海から突き出た尾根がどこまでも高く、そして強く、大きく雄大なあのアトス山が姿を現すのだ。

数分後、いよいよ初対面とともに、呼吸の乱れを感じる瞬間が訪れる。海抜300メートルの岩山を切り、その上に、誰も寄せ付けないと思わせる修道院を見ることができる。これこそ、シモノスペトラ修道院である。

人の力の無限を感じることができる。横から見ると張り付くように、そして岩山に一体化したような感覚に陥る。土台は、歴史と共に崩れ落ち、修繕の最中のようだ。ここには、今も約100人の修道士が住み、共同生活を送っているとのことである。

この修道院はのちに、2度目、3度目の旅で滞在することになり、ここでもある修道士と出会い、とても貴重な時間を過ごすことができたが、またの機会にご紹介したい。

さらに船は南下し、今度は海の目の前に立つグリゴリウ修道院が見えてくる。こじんまりしているが、まるでヨーロッパ貴族の別荘のような場所に位置し、テラスや回廊、海を意識した窓造りなどから、リゾートホテルのような雰囲気さえ感じる。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人
シモノスペトラ修道院
聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人
グリゴリウ修道院

さらに南下し、とてつもないアトス山の存在を感じながら、ディオニシウ修道院が見えてくる。これも大きな岩山にポツンと立ちはだかる。その周りには、段々畑が整備され、気候に合った野菜などが育てられている。今日はこの修道院に泊まる予定だが、われわれはさらに南下した。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人
ディオニシウ修道院

アトス山へ近づくにつれ、誰も登れないほどの崖が目の前に立ちはだかる。急峻(きゅうしゅん)な崖の中にポツポツと修道小屋が立ち並ぶ。アギアアンナと呼ばれるこの地域では、物資の輸送にロバを使う。船が到着する頃には、港で多くのロバが道に並ぶ姿を見ることができる。

さらに南下し、半島突端に近づくと、水の色はエメラルド、岩山も白色が混じった美しいコントラスト。数軒のケリが岩にへばりつくように建てられ、物資の輸送用のロープが建物間を結んでいる。

どのような方法で建てたのか、どうやって行くのか、疑問しか湧いてこないほどの絶景に、ただただ息を呑むだけだ。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人
崖にへばりつくようにケリ(修道小屋)が立ち並ぶ

さらに、半島の端のポツンとした岩には、大きな十字架が立てられている。この地域はアトス宗教自治国であると、対外的な印として立てられているのだという。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人
アトス半島

人を長年寄せ付けなかったアトス半島の全貌を見ることができた。特に半島の突端のケリで暮らす修道士は、夜になれば何の光も無い暗闇に包まれる。何のために祈るのか、自分とは、孤独とは・・・。たった1人、祈りと共に夜明けを待つことになる。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(15)男だけの船・その2:崖にそびえ立つ修道院 中西裕人

次回予告(9月17日配信予定)

途中に見たディオニシウ修道院を訪れます。ここでは、なんとも美しい夕日を見ることができました。お楽しみに。

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◇

中西裕人

中西裕人

(なかにし・ひろひと)

写真家。1979年生まれ。東京都杉並区出身。日本大学文理学部史学科卒。外苑スタジオ勤務後、雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)専属フォトグラファーを経て独立、雑誌、広告、webを中心に活動中。2014年に洗礼を受ける。父は日本ハリストス正教会司祭であり、年に数回共にアトスを訪れ修道士の生活などに密着した取材を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:中西裕人正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス
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  • 『芸術新潮』6月号で中西裕人さんのアトス巡礼特集 「広島弁による仁義なき聖書」「聖書と美術」特集も

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