【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)が発行する新聞「ロッセルバトレ・ロマノ」は、カトリック教会の聖職者による性的虐待事件を暴く新聞記者を描き、このほど米アカデミー賞の作品賞などに輝いた映画「スポットライト=世紀のスクープ」について、反カトリック教会的な作品ではないと内容を評価する立場を示した。米メディアCNNが報じた。
ロッセルバトレ・ロマノは論説で、米紙「ボストン・グローブ」の編集部の戦いを扱った作品は、現実に直面した忠実な信者たちの衝撃や痛切な苦痛を代弁したものと指摘している。
同映画の製作者は、アカデミー賞授賞式で「作品は事件の体験者の声を浮き彫りにしたもの。この声が強まり、バチカンまで響き渡る聖歌になることを願った」などと述べていた。
同紙は、映画「スポットライト」は「物語の一端にしか焦点を当てていないが、性的虐待を受けた後、助けを求める神も見いだせなかった被害者の内部の荒廃を表現した」と称賛した。