フランスの宗教・信徒団体の連合体が、「気候のために断食を」運動を開始する。これは、ルーテル世界連盟(LWF)が先頭に立って行っている地球規模の宗教間による取り組みで、6月4日にパリで共同記者会見を行う。LWFが5月30日に発表した。
「気候のために断食を」は、国際連合気候会議(COP21)がパリで始まる2015年12月まで毎月1日に行われる。現在では、青年や環境・宗教団体の参加によって地球規模の運動へと成長し、各国政府に今年、気候変動について緊急の行動を起こすよう求めている。
この運動はLWFが他の多くの世界組織とともに今年1月1日に開始したもので、昨年11月にポーランドのワルシャワで行われたCOP19のLWF代表団による取り組みを受けたもの。LWFの全地域からの若い代表者たちからなった同代表団は、自らの家族が台風30号「ハイアン」に巻き上げられたフィリピン政府代表団のイェブ・サノの苦境に感銘を受けた。サノ氏は、感動的な演説の中で、ワルシャワ会議が「この狂気沙汰を止める」行動をもたらすまで食べないと述べた。サノ氏はパリでの記者会見で討論者として出席する予定だ。
「この断食はLWFにとって効果的なカギです。深い霊的な意味と力強い象徴的なメッセージをもつ実践を通じて、LWFは諸教会が気候変動について行動を起こすのを導くことができるでしょう」と、ワルシャワでLWF代表団に参加していたマルティン・コップ氏は語った。「例えば、フランスでは三大キリスト教組織による最初の気候変動に関する共同行動です。これは2015年の暮れにパリで開かれるCOP21に向けたエキュメニカルな協力の第一歩としての役目を担うものです」
記者会見は、国会前の屋形船の上で開かれる。開催役は、「地球のためのキリスト教徒連合」「ア・ロシャ・フランス」「聖書と創造」「パックス・クリスティ・フランス」「社会的キリスト教」「正義と平和・被造世界の一体化 アルザス」。
討論者には、フランス大統領の地球特別大使であるニコラス・フロット氏、フランス・キリスト教会協議会(CECEF)共同会長でフランス・プロテスタント連合(FPF)会長のフランソワ・クラヴェイロリ氏、そしてボルドー大モスクのボルドー大導師であるタレク・オウブロウ氏が含まれている。
「断食によって気候変動が私にとって現実味を帯び、自分の目を開かれ、隣人たちに近づけられました。これは、月1回の断食が面白い理由の一つです。それは人の意識を、異常気象が起きている時だけでなく、定期的に高めてくれるからです」とコップ氏。「あなたが自分の約束を自分の周りと共有している限り、気候変動についての意識を高めるのを助けることになるのです。それによって、結局、あなたの断食が重要なものとなるのです」と述べた。
6月にインドネシアで開かれるLWF評議員会の会合期間中には、世界中にあるLWFの加盟教会やスタッフが、LWF評議員とともに「気候のために断食を」に参加する。