あらゆる国の人々に宣べ伝え
ルカの福音書24章44~49節
[1]序
今回は、ルカの福音書24章44節から49節の箇所を味わいます。ここには、ルカの福音書に見る、主イエスの最後のことばが記されています。
[2]主イエスの十字架と復活
(1)主イエスは、御自身の十字架と復活について以前から話しておられた。けれども弟子たちは理解しなかった(9章45節、18章34節)。
しかし今や「聖書を悟らせるために彼らの心を開いて」(45節、参照24章25節以下のエマオ途上の二人の弟子)、主イエスの十字架が父なる神のご計画・ご意志であると明らかになさり、旧約聖書におけるキリスト(メシア)についての約束は、全部成就する事実を示されます。
(2)主イエスの十字架と復活により、主イエスの御名による罪の赦しを得させる悔い改めの道が開かれる。今やエルサレムから始まって全世界のあらゆる国の人々に、福音が宣べ伝えられるのです。
[3]弟子たちに使命と約束
復活の主イエスは使徒たちに使命を与え、これを果たす備えを約束してくださいます。
(1)弟子たちの使命
「これらのことの証人」(48節)、使徒の働き1章8節。
(2)使命を果たすために
父なる神の聖霊の約束(使徒1章8節、2章33節、ヨハネ14章16節、15章26節、16章7節)。
[4]結び
(1)主イエスの十字架と復活。聖書の中心。主イエスが心を開いてくださり、聖書の中心を悟り受け入れることができるように。
(2)主イエスの御名による罪の赦しの福音が全世界にとの約束の成就を、使徒の働きにおいて示されています。そして現に今も。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。