生きている方
ルカの福音書23章56節後半~24章12節
[1]序
今回は、いよいよルカの福音書最後の章24章に移り、主イエスの復活の出来事を伝える記事を読み進めていきます。今回の箇所については、マタイ28章1~10節、マルコ16章1~8節、ヨハネ20章1~10節を参照。大きな流れと共に、ルカの特徴を教えられます。
[2]からの墓
(1)主イエスの墓に向かう婦人たち
彼女たちの意図・目的。
(2)からの墓
「見ると、石が墓からわきにころがしてあった。入って見ると、主イエスのからだはなかった」(2、3節)
(3)途方にくれる婦人たち
[3]「女たちはイエスのみことばを思い出した」
(1)婦人たちの問題
「あなたがたは、なぜ生きている方を死人の中で捜すのですか」
(2)婦人たちがなすべきこと
それは、主イエスのことばを思い起こすこと。
①十字架と復活についての主イエスのことば
「そして言われた。『人の子は、必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちに捨てられ、殺され、そして三日目によみがえらねばならないのです』」(9章22節)
参照18章32、33節。主イエスは、ご自身の十字架と復活を預言なさり、そのいずれもが神のご計画によることを教えておられる。
②からの墓は、復活の約束の成就を示す
③主イエスのことばを思い出す
主イエスが生きてい給うことを確信するとき、彼女たちは、復活の出来事の報告者となる(9節)。
[4]結び
(1)主イエスのことばを通して、主イエスの復活を信じる信仰へ。「イエスは彼に言われた。『あなたはわたしを見たから信じたのですか。見ずに信じる者は幸いです』」(ヨハネの福音書20章29節)。
(2)「イエスは復活の日の顕現によって弟子たちの不信仰な無気力さを、徐々に、一歩一歩克服して行って、ついに彼らが、ふたたび祝福に満ちた喜びと心底からの感謝をもって、イエスのまわりに集められるようになった」(A・シュラッター)を、ルカの記事は明らかにしています。24章25節以下、24章44節以下。
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宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。