ルカの福音書を読み進めて
ルカの福音書1章1~4節
[1]序
今回私たちは、もう一度1章1~4節に戻り、ルカの福音書の目的を確かめ、内容の大きな流れを振り返りたいのです。
[2]ルカの福音書、その目的
(1)ルカ1章1~4節(参照使徒の働き1章1、2節)
目的は、「すでに教えを受けられた事がらが正確な事実であることを、よくわかっていただきたいと存じます」(4節)。
①教えと信仰
②事実と信仰
③「よくわかる」と信仰
ヨハネの福音書が書かれた目的を明らかにしている、ヨハネの福音書20章31節、「しかし、これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によっていのちを得るためである」が助けになります。
(2)誰が書いているのか、「多くの人が」、「私も」
①「多くの人が」
「初めからの目撃者で、みことばに仕える者となった人々が、私たちに伝えたそのとおりを」→「多くの人が記事にまとめて書き上げようと、すでに試みております」
②「私も」
「すべてのことを初めから綿密に調べております」→「順序を立てて書く」
(3)誰に書いているのか
「尊敬するテオピロ殿」
[3]何が書かれているのか・ルカの福音書の内容
(1)「私たちの間ですでに確信されている出来事」(1節)
福音とは、神の救いの出来事・事実の良きニュース。
(2)「イエスが行ない始め、教え始められたすべてのことについて書き、お選びになった使徒たちに聖霊によって命じてから、天に上げられた日のことにまで」(使徒の働き1章1、2節)
(3)ルカの福音書の大きな流れ
主イエスの宣教への備え 1~2章
開始 3章1節~4章13節
主イエスのガリラヤでの宣教 4章14節~9章50節
ガリラヤからエルサレムへ 9章51節~19章27節
エルサレムにおける宣教 19章28節~21章38節
主イエスの受難 22、23章
主イエスの復活 24章
[4]結び
ルカの福音書から使徒の働きへ。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。