日本キリスト教協議会(NCC)教育部の設立百周年を記念して東京都中央区銀座の教文館3階の書店内で行われている特別展示「日曜学校から始まるキリスト教教育の歩み」の展示内容が6日、戦前のものから戦後のものに変わり、紙芝居やフランネルグラフ、幻灯など戦後の日曜学校を紹介する様々な史料が並んだ。
会場では、訪れる人々にNCC教育部の関係者が一つ一つ丁寧に展示の紹介・解説を行い、日曜学校に関する貴重な展示に多くの人々が見入っていた。戦後の展示でも戦前の展示と同様、実際に史料を手にとって見ることができる「閲覧コーナー」も用意されている。
NCC教育部は、日本日曜学校協会を前身として1907年に設立された。今年、設立百周年を記念しての様々な事業が予定されているが、今回の特別展示はその最初のイベント。展示は先月28日から始まり、日本のキリスト教教育の中心とも言える日曜学校の歴史を様々な史料を用いて紹介している。前半は「戦前」の史料が展示され、6日からは後半として「戦後」の史料が紹介されている。
戦前の展示では、日本日曜学校協会や日本基督教会発行の教案誌がほとんどであった。しかし、戦後では、日本福音ルーテル教会、救世軍、日本新教連盟、日本バプテスト連盟、日本イエス・キリスト教団、インマヌエル綜合伝道団、日本ナザレン教団、在日大韓基督教会、日本ホーリネス教団、キリスト教視聴覚センター(AVACO)、いのちのことば社など多数の教派・団体から発行された教案誌が展示されている。また、超教派で作成した「綜合制教会学校カリキュラム 神とその民」や「JCCEカリキュラム」などの教案誌も紹介している。紙芝居やフランネルグラフ、幻灯、聖画のカードなど、子ども達にわかりやすく聖書の内容を教えるために用いられた道具も多数紹介されているのが特徴だ。
紙芝居には「よきサマリアびと」「勇者ダビデ」「ノアの箱舟」「主の祈り」「二人の大工」などがあり、新約・旧約を問わず聖書の一場面を紹介する様々な内容のものが見られる。また戦後、紙芝居と同様に日曜学校、幼稚園などで多数用いられ、現在の「パネルシアター」の原型となる「フランネルグラフ」、後にはスライドやビデオへとその役目を譲ることになるフィルム・ストリップを利用した「幻灯」も紹介されている。当時のリクリエーションなどで用いられた「聖書カルタ」や聖書の登場人物が描かれているすごろくなども見ることができる。
特別展示は今週末の12日まで続く。