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イエス伝

「イエス伝」(43)・・・イエスは伝道に成功したのか 平野耕一牧師

2010年9月8日10時29分
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関連タグ:平野耕一

イエスは神殿において活動し、夕方になるとベタニヤの3兄妹の家に帰り、そこで寝泊りをして、朝になると神殿に向かった。

翌朝、神殿に入ったイエスは、突然激怒し、暴力をふるったのだ。鞭を振りまわし始めたのだが、その形相を見た弟子たちも人々も圧倒されて、一言も発せず、あっけにとられて、ただ見つめるだけだった。

イエスは両替人の台をひっくり返した。当然、積み上げられたシュケル銀貨と外国の硬貨は辺り一面に音を立ててバラバラ飛び散る。献金はシュケル銀貨のみしか受け入れられなかったので、外国からの参拝者は両替しなければならなかった。それは問題ではなかった。両替料に、何と40%もふっかけたのだ。

また、イエスは鳩を売る者の腰かけを蹴散らした。本来は羊の犠牲をささげるところだが、貧しい者は鳩でもよいとモーセの律法で認められていたが、無傷のものでなければならなかった。

神殿の外では、鳩は安価で売られていたが、祭司のチェックが入り傷ものとしてのけられ、ほとんどパスしてもらえなかった。祭司たちは、神殿内で売られている物を買いなさい。すでにチェック済みだからと言ったが、その値は7倍もしたのだ。

両替台では外国から来た礼拝者から、鳩の台では貧しい人から搾取したのだ。イエスは、神殿は「すべての民の祈りの家である。強盗の巣にしてはならない」と言った。

私たちはやさしいイエスを好む。教会内でもまた教会外でも、ハリウッドの映画でも、やさしいイエスに人気がある。アートを見れば明らかだ。やさしいイエス、静かなイエス、気品のあるイエス、笑みをたたえたイエス、涙を浮かべたイエス、もちろんみなハンサムな顔をしている。怒った顔のイエスを描いたものを見たことはない。

しかし、怒り、こわい形相をし、激しいことばを発し、暴力をふるわれるのもイエスだ。イエスの真の姿を知ろうとするなら、このイエスも見つめなければならない。

この事件後、緊張感は一挙に高まる。祭司長たちと律法学者たちは、イエスをどのように殺したらよいかと相談し始めたのだ。しかし、彼らは注意深かった。過ぎ越しの祭りの時期はエルサレムの人口が5倍にもふくれ上がり、その上イエスの人気はうなぎのぼりなのだ。下手をすると暴動になる危険性を含んだ時なのだ。

彼らは暴力的ではなく、公の場でイエスのことばじりを捕らえて、その誤りを証明しようと策略を練った。彼らはいくつもの質問を用意したのだが、それに対してイエスが「イエス」と答えても「ノ―」と答えても墓穴を掘るようなものであった。彼らはうまくいくことを確信した。

彼らは、イエスの周りに大勢の人々が群がっている時をねらって質問した。しかしその結果は、イエスのことばじりを捕らえるどころか、民衆の前でイエスのひとことばでやり込められてしまい、イエスの知恵と正しさを証明する羽目に陥ってしまったのだ。イエスを落としこめるために掘った穴に、自分たちが落ちてしまった。イエスの人気は上昇する一方であった。

イエスの号泣

翌朝、オリーブ山からエルサレムを見降ろしたイエスは大粒の涙を流して号泣された。

「ああ、エルサレム、エルサレム。預言者たちを殺し、自分に遣わされた者たちを石で打つ者。わたしは、めんどりがひなを翼の下に集めるように、あなたの子らを幾たびか集めようとしたことか。それなのに、あなたがたはそれを好まなかった」。

イエスはエルサレム滅亡のビジョンを見たのだろう。イスラエルは滅亡にまっすぐ向かっていた。出来るならば、イエスはそのコースを変えたかったのだ。しかし、今となっては彼らの運命はあきらかだし、何もできることはなかった。人々はイエスのメッセージを拒絶したのだ。

しかし、エルサレム入城も神殿境内でもあのように人気があるではないか、と、あなたは言うかもしれない。しかし、イエスは知っていた。それは人気であって、信仰ではないのだ。この人気は数日後には反転することが、イエスには見えていたのだ。

しかし、あなたは言うだろう。ガリラヤ伝道は成功したではないかと。それでは、イエス自身の評価を聞いてみよう。

「ああコラジン。ああベツサイダ。おまえたちの間に起こった力あるわざが、もしもツロとシドンでなされたのだったら、彼らはとうの昔に荒布をまとい、灰の中にすわって、悔い改めていただろう。しかし、さばきの日には、ツロとシドンのほうが、まだお前たちより罰が軽いのだ。カペナウム。どうしておまえが天に上げられることがありえよう。ハデスまで落とされるのだ」。

イエスはガリラヤ地方では人気があった、ように見える。人々はイエスの周りに群がり、癒しや悪霊追放が起こり、さまざまな奇跡を目撃し、イエスの教えに感嘆の声を上げた。しかし、イエスはだれよりも知っていたが、それは信仰と呼べるものではなかった。彼らはしるしと不思議を見れば満足したのであって、それらを見た後に散らばっていった。それ以上は求めていなかったのだ。

イエスは歩き回って福音の種をまき続けた。しかし、どう見ても30倍、60倍、100倍の収穫があったとは言えないのだ。そのような人々を見てイエスも嘆くことがあった。「笛吹いても、お前らは踊らなかった。弔らいの歌を歌ってやっても、泣かなかった」反応がないのだ。また「ああ、不信仰な、曲がった今の世だ。いつまであなたがたといっしょにいなければならないのだろう。いつまであなたがたにがまんしていなければならないのだろう」とつぶやいた。

イエスの死は刻々と近づいているが、またイスラエルが滅ぼされる日も近づいていた。

◇

平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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