世界的な福音派の組織である世界福音同盟(WEA)と、11の主要なユダヤ人組織を代表し他宗教との対話を行う国際ユダヤ人諸宗教間協議委員会(IJCIC)が、公式な対話プログラムを再開した。WEAは発表(英語)で、世界的な福音派コミュニティーと世界各地のユダヤ教指導者との間において、組織的かつ継続的な交流を図るための重要な一歩だとしている。
IJCICのマーク・ドラッチ議長は、対話再開のタイミングについて、福音派、ユダヤ教双方のコミュニティーが直面する切迫した現実を反映していると述べた。
「宗教コミュニティーが反ユダヤ主義、人種差別、信教の自由、そして人間の尊厳の保護といった共通の課題に直面しているこの瞬間に、この対話を再開することは時宜にかなっています」
WEAのブトロス・マンスール総主事は、このイニシアチブに対する強い支持を表明し、次のように述べた。
「福音派信者とユダヤ教徒は、旧約聖書(ヘブライ語聖書)と、正義、信仰、そして人間の尊厳に対する神の呼びかけに対し、深い敬意を共有しています。私たちは神学的な相違を認識しつつも、誠実な対話を通じて互いを豊かにし、相互尊重を築き、困難な問題にさえ友情と平和の精神で向き合うことができるのです」
WEAのチームには、グローバル・アドボカシー担当ディレクターで、WEAの国連対応などを担う政治哲学者でもあるカイル・ウィズダム氏、カレブ研究所(インド)事務局長で、WEAで5年にわたりユダヤ教とキリスト教の対話に携わってきたサミュエル・リッチモンド氏、ブカレスト大学(ルーマニア)の新約聖書学者で、初期のユダヤ教とキリスト教の関係を研究しているアミエル・ドリンベ氏、ナザレ・エバンジェリカル・カレッジ学長で、ナザレで10年以上にわたってユダヤ教とキリスト教の対話に関わってきたアーザル・アジャジ牧師が名を連ねている。
IJCICのチームには、ユダヤ教の倫理と法の専門家で、イスラエルの「ユダヤ教とキリスト教の理解と協力のためのセンター」(CJCUC)で学術ディレクターを務めていた経験のあるラビのユージーン・コーン氏、現存する最古のユダヤ人相互扶助組織であるブネイ・ブリス・インターナショナルの国連・共同体間関係担当ディレクターを務めるデビッド・マイケルズ氏、IJCIC名誉議長で、国際キリスト教徒・ユダヤ教徒評議会(ICCJ)会長を務めるラビのデビィッド・フォックス・サンドメル氏、ロンドンのリベラル派シナゴーグの上級ラビで、国際的な改革派進歩的宗教シオニスト運動の指導者であるレア・ミュールシュタイン氏が名を連ねている。
今回の対話再開は、4年前に築かれた基盤の上に成り立っている。WEAとIJCICは2022年、対面による初めての会合をエルサレムで開催。会合は3日間にわたり、WEAは当時「歴史的な会合」だと、その意義を強調していた。
会合は、いずれも当時、WEAの総主事であったトーマス・シルマッハー氏と、IJCICの議長であったサンドメル氏によって招集され、両団体とも15人程度が参加した。開催地のエルサレムは、福音派、ユダヤ教双方のコミュニティーが共有する遺産と、ユダヤ教とキリスト教の長きにわたる緊張をはらんだ歴史を反映し、意図的に選ばれた。
両代表団は、エルサレムにあるホロコースト記念館「ヤド・バシェム」の訪問で会合を始め、シルマッハー氏とWEAの国際理事会議長であったグッドウィル・シャナ氏が、WEAを代表して献花を行った。訪問した日は、イスラエルのホロコースト記念日でもあり、シルマッハー、シャナの両氏は、ヤド・バシェムで行われた公式式典にも参列。両代表団は翌日、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領とも面会するなどしていた。

















