中東ヨルダンで教師として働くロア(仮名)は、自分はキリスト教徒について「全てを分かっている」と確信していた。「彼らは3つの神を拝む多神教徒であり、彼らのインジール(新約聖書)は人為的に書き換えられており、彼らは不道徳な生活を送っている」。それが、彼女がイスラム社会で教え込まれてきたキリスト教徒のイメージだった。しかし同時に、彼女の心の中には、いつも「満たされない空虚感」があり、真理を探し求めていたのだ。
そんなある日、車を運転していたロアは、突然「インジール(新約聖書)を読まなければ!」という強烈な衝動に駆られた。彼女は一緒に勉強していた修道女にインジールを1冊譲ってほしいと頼み、マタイの福音書から読み始めた。そして、そこに描かれているイエスの姿に深く心を打たれたのだった。
彼女は、イスラム教の聖典であるコーランの中に、イーサー(イエス)がどのように記述されているのかを自ら調べ始めた。そして、衝撃的な事実に気付く。「コーランの中では、イエスは『神の言葉』として描写され、無から有を『創造する』と書かれている。創造できるのは、神だけのはずよ!」。約1年間にわたる独学とオンラインでの探求の末、ロアは初めてイエスに向かって祈りをささげた。「信じられないほどの平安と喜びを感じました。まるで全く新しい人間に生まれ変わったようでした」と彼女は振り返る。
ロアはすぐに、自分がコーランを通して気付いた真理を家族や友人に伝えようとした。しかし、彼らはそれを「イスラム教への批判」として受け取り、彼女の考えが外部に漏れないように口封じをしようとした。さらに家族は、「キリスト教徒になったロアは、これから不道徳な生活に陥り、麻薬に手を染めるに違いない」と本気で信じ込んでいた。
それでも、ロアは20人以上いる直系家族を愛し、敬い続けながら、成長していく信仰を彼らと分かち合っている。彼女は「キリスト教徒=不道徳」という偏見と戦うため、今でもヒジャブ(イスラムの女性用スカーフ)を着用し続けている。「私は神を失ったのではありません。イエスを見つけたのです!」と彼女は強調する。同胞であるヨルダンの人々を深く愛する彼女は、今、さまざまな方法で彼らにイエスを紹介し続けているのである。
主イエスは言われた。「求めなさい。そうすれば与えられます。探しなさい。そうすれば見出します。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれでも、求める者は受け、探す者は見出し、たたく者には開かれます」(マタイ7:7、8)。真理を求める者を、神は決して放っておかないのである。
ヨルダンのために祈ろう。この国の人々の心に真理を求める霊的な飢え渇きが与えられ、物質主義の空虚さに気付いて真の救い主を探し求めるように。また、ロアのように友人や家族にイエスの愛を伝える信仰者たちが、あらゆる迫害や誤解から守られ、その証しが豊かな実を結ぶよう祈っていただきたい。
■ ヨルダンの宗教人口
イスラム 96・5%
プロテスタント 0・3%
カトリック 0・4%
正教関係 1・5%
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