東南アジアの中心に位置するほほ笑みの国タイ。国名の「タイ」には「自由」という意味がある。それは歴史上、周囲の国々が次々と西洋列強の植民地支配に屈していく中で、巧みな外交によって一度も植民地化されずに独立と自由を守り抜いたという誇り高き歴史に由来している。
しかし、霊的な視点から見ると、この「自由の国」は深く重い鎖につながれているのが現実だ。国民の約85%が熱心な仏教徒であり、人々の生活は伝統的な文化、精霊崇拝(アニミズム)、そしてオカルト的な儀式に強く縛られている。さらに、ビジネス、政治、警察組織にまん延する深刻な汚職によって、社会構造そのものが腐敗し、力のある者が弱者を搾取する不正が日常化している。
このような強固な霊的・社会的な暗闇の中で、タイにおけるキリスト教宣教は困難を極めてきた。プロテスタントの宣教が始まってから400年以上が経過した現在でも、キリスト教徒は人口のわずか1・1%(福音派は0・5%)に過ぎない。全国にある7415の行政区画のうち、6千以上の地域には教会が1つも存在していないという。広大な「霊的空白地帯」が広がっているのだ。
だが今、タイの教会に新たな風が吹き始めている。このレポートでも紹介したことがある家の教会連合FJCCAに代表されるような現地のリーダーたちが、全国にある8万の全ての村と地域に福音を届けるという、大胆なビジョンを掲げて立ち上がった。
彼らは単なる伝道にとどまらず、全国的な祈りのネットワークの構築、リーダーシップ開発、地域社会の発展(コミュニティー開発)など、包括的な戦略をもってこの巨大な暗闇に挑もうとしている。多くの宣教師やリーダーたちは、「タイは今、かつてない教会成長の突破口(ブレイクスルー)の時を迎えている」と感じている。
タイのために祈ろう。何世紀にもわたってこの国を縛り付けてきた仏教、精霊崇拝、そして汚職という霊的な鎖が、イエス・キリストの力によって完全に打ち砕かれるように。「全ての村に福音を」という教会リーダーたちの大胆な計画が聖霊によって導かれ、強力な前進を遂げるように。そして「自由の国」タイの人々が、罪と死からの真の自由を得させるキリストの十字架を見いだすことができるよう祈っていただきたい。
■ タイの宗教人口
仏教 85・3%
カトリック 0・5%
プロテスタント 0・6%
イスラム 7・9%
◇

















