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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(232)福音宣教を有効にする大切な条件 広田信也

2025年10月4日19時58分 コラムニスト : 広田信也
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すさまじい触媒の効果

私の前職は自動車用エンジンの研究開発でしたが、1990年ごろから、エンジン本体だけでなく、触媒を使った排気ガス浄化技術を開発するようになりました。全く経験のない化学分野の業務でしたが、大きな期待を抱いて始めたのを記憶しています。

触媒はあまり目立つ部品ではありませんが、現代社会において、非常に大きな役割を果たしています。特に、自動車の排気ガスの浄化能力においては、すさまじいものがあります。

排気ガスが小さな触媒を通過する時間はコンマ数秒に過ぎず、ほんの一瞬だけです。しかし、完成された自動車では、その短い時間に、致死量をはるかに超える有毒な排気ガスが、大気と同じレベルまで無毒化されて車外に放出されます。

当時の私は、触媒についての知識がほとんどなかったため、その高い能力に初めて触れたときの衝撃は非常に大きく、まるで奇跡を目の当たりにしているようでした。

触媒の効果を生み出す条件を整える

そのような高い能力を持つ触媒ですが、その効果を生み出すには、触媒を構成する金属粒子の種類、担持方法などを詳細に検討し、排気ガスの温度、成分、量などを緻密に制御する必要があります。

つまり、自動車のあらゆる運転条件で触媒を有効に使うためには、膨大な時間と労力が必要になるのです。このような努力は、今も各地で続けられています。

現代社会における自動車の普及は、このような過程を経て開発された排気浄化技術によって支えられています。そして、その中心にあるのは、微小な金属粒子によって構成される触媒の極めて高い能力です。

福音の潜在的な力はすさまじい

前職のこのような経験を経て国内宣教師になった私は、日々福音宣教に携わる中、聖書の伝える福音は、まるで極めて高い能力を持つ触媒のような存在だと感じるようになりました。

触媒は、必要な条件が整えられた途端、有毒な排気ガスを瞬く間に無毒化します。同じように、福音が人の心に届いたとき、たとえ大きな困難が目前にあっても、神様の恵みが満ちあふれ、祝福された人生が備えられるのです。

一般に「新生」「born again」として知られるこの現象は、私だけでなく多くの人が体験していることだと思います。福音の潜在的な力はすさまじいものがあります。

ただ、触媒を有効化させるために、さまざまな条件を整える必要があるように、福音が人の心に届くには、幾つかの的確な条件を満たす必要があると考えています。

最も重要な条件がある

ガソリンエンジンの触媒システム(三元触媒システム)では、排気ガス浄化にとって最も重要な条件は、エンジンに供給される燃料量と空気量の最適比率(理論空燃比)です。もちろん他の条件もありますが、これが最も大切になります。

この条件を外れると、触媒は全く機能を失ってしまいますので、現代の自動車では、電子制御によって、あらゆる運転領域でこの比率が満たされるようにプログラムされています。この理論空燃比制御こそが、いわば要になる条件を備えているのです。

それでは、福音が人の心に届くための最も大切な条件は何でしょうか。

イエス・キリストに出会い、彼に受け入れてもらうこと

私たちが福音を信じたとき、「新生」「born again」といわれる心の内面の変化を体験します。それは、イエス・キリストに出会い、彼に受け入れてもらったことを自覚して、初めて得られる不思議な体験です。

確かに聖書を読めば、キリストは2千年前にこの世に来られ、人々の罪を背負って十字架にかかり、3日目によみがえったことが分かります。聖書は信頼できる歴史書ですから、それが史実であることは、調べてみれば誰にでも分かることです。

しかし実際に、今生きておられるイエス・キリストに触れる体験を通してこそ、彼の十字架が自分の罪を赦(ゆる)すためであることを知り、永遠に続く祝福を得ることができます。この体験こそ「新生」「born again」なのです。

「善き隣人バンク」の働きが最も大切な条件を整える

あなたがたは、自分が神の宮であり、神の御霊(聖霊)が自分のうちに住んでおられることを知らないのですか。(コリント人への手紙第一3章16節)

聖書によれば、信者のうちには聖霊が宿っています。聖霊はイエス・キリストの霊ですから、信者が行う「傾聴」の働きは、イエス・キリストをクライアントに紹介することになるのです。

クライアントは、実際にイエス・キリストご自身に出会い、彼に寄り添われ、話を聴いていただき、受け入れていただく体験を得るのです。

あなたがたの光を人々の前で輝かせなさい。(マタイの福音書5章16節)

「善き隣人バンク」の働きは、傾聴を希望する人の話を聴き続ける単純な働きです。そして、いまだ始まったばかりの小さな働きです。集まってくださったスタッフの経験も未熟です。

しかし、この働きは、イエス・キリストの霊(聖霊)を幅広く日本社会にご紹介する働きになっていくでしょう。やがて、多くの日本人がイエス・キリストに出会い、彼に受け入れられる体験を得るようになると信じています。

日本社会が福音の光に満たされ、多くの人が祝福された人生を送れますように・・・。祈りつつ、粘り強く、働きを進めていく所存です。

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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