1. 宇宙の波動と人間の波動
全ての物体は、原子からできている。原子は素粒子からできていて、素粒子は量子からできている。現代科学ではここまで解明されている。では量子とは何かというと、簡単にいえば、紐(ひも)のようなものが揺れて振動している状態。つまり、全ての物体は波動(振動)からできているのである。
宇宙も波動からできていて、これを測定すると、7・5Hz(ヘルツ:周波数「1秒間の振動数」)である。これが宇宙の秩序を完全に維持している最良の波動である。ノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進教授が、分子生物学の立場から脳の仕組みと人の心について興味深い講演をしている。
人間は60~70兆個(註:最近では37兆個説が有力)の細胞からできているが、究極的には他の物体と同じく量子からできている。つまり、人間の体も波動からできている。その波動で一番強いものが脳波。
なんと、赤ん坊の脳波は7・5Hzである。赤ん坊は宇宙と同じ最良の波動をもって生まれてくる。脳が健康で全てのものを最も受け入れやすい状態、心が健全で愛と喜びと平安に満ちている状態という最高に幸せな状態にある。しかし、成長して大人になるにつれ、家系(遺伝)や環境を受け、脳の働きが鈍化し、心には憎しみや悲しみ、不安が生じ、脳波が乱れてしまう。
それでは、乱れた脳波を理想の7・5Hzに近づけるにはどうしたらよいのか。利根川博士は2つの方法を提唱している。第一は、楽しいことを思い出すこと。第二は、自分の明るい未来をイメージすること。こうして脳(右脳)に肯定的な刺激を与えて脳波を7・5Hzに近づけることができるという。
2. 心理学にも共通する
スイスの精神科医・心理学者カール・グスタフ・ユング博士も、人の精神状態を最高に保つために、同じような手法を提唱している。
第一は、自分の尊厳を高める文字を目で読むことによって、無意識(潜在意識)から最高の自分のイメージを引き出すこと。第二は、「ありがとう」という感謝の言葉を耳で聞くことによって、無意識から楽しい思い出を引き出すこと。こうして病んでいる心を健全にすることができるという。
両博士の方法を一つにまとめると、三段階の感謝になる。第一段階、感謝すべきことに感謝する。第二段階、感謝できないことにも感謝する。第三段階、未来のビジョン(希望)に感謝する。例えば、①病気でなく健康であることに感謝する。②病気になったが生きていることに感謝する。③これから病気が治り健康になることに感謝する。
第三段階の感謝については、両博士ともに、「未来の希望はすでに実現したものとして、過去形で感謝するのが一番良い(効果的である)」と提唱している。事実、ユング博士は、不治といわれていた自身の精神分裂症(統合失調症)を、すでに癒やされたというイメージを具体的に描き、これに感謝することにより、完全に癒やしてしまった。
以上は、神の創造の驚異と神の言葉の真理が、それぞれ説明や用語は異なるが、科学的に証明された一例であるといえる。要するに、いつも喜び、どんなことにも感謝し、希望が実現することを信じることによって、体はより健康に、心はより健全になるのである。
いつも喜び、絶えず祈り、すべてのことを感謝しなさい。(1テサロニケ5:16~18)
なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。(マルコ11:24)
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