昨日の課題でイランの人身売買について取り上げたが、全米でヒットしている映画「サウンド・オブ・フリーダム」や、7月末の人身売買に反対する世界デーによって、人身売買の問題への関心が高まっている。
宣教団体ワールド・コンサーンは、人身売買との闘いに積極的に取り組んでいるミニストリーの一つだ。同団体はバングラディッシュで30年以上にわたって奉仕をしており、国内の4分の1の地区で活動している。
300人規模のチームは、児童保護、児童教育、気候変動などを扱うプロジェクトを、国内各地で支援している。ワールド・コンサーンの現地パートナーの一人であるグロリアスは、この組織がバングラデシュのような国でどのように奉仕しているかについて語った。
「私たちは、創造主と和解して隣人や私たち自身、そして家族や社会とも和解できるよう、貧困の霊的根本原因に対する信仰的視点を高めるために、教会とパートナーシップを結び、さまざまな信仰の指導者たちと関わっています」
バングラデシュでは、毎月1600人、年間2万人、過去30年間で100万人以上もの女性と子どもたちが人身売買されていると推定される。バングラディシュの貧困、失業率、インフレ率の高さなどは、ずば抜けており、これほどの数字を生み出す根本的な原因はたくさんある。
バングラデシュの人々は、貧困から抜け出し、より良い生活の機会を得ようとしている。人身売買業者はこれを利用し、金銭をちらつかせる。そのため、性的搾取や児童婚が後を絶たないのだ。
「人身売買は基本的に児童婚であり、バングラデシュは南アジア地域の中で、児童婚率が最も高いと言うべきでしょう」とグロリアスは言う。若い女の子が18歳になる前に結婚すると、一般的に彼女は家族の面倒を見る責任がなくなる。そのため、家庭内で性的搾取を受け、時には暴力を受けることさえある。
このような結婚は、若い女性が教育を受ける機会を失うことも意味する。
ワールド・コンサーンは、人身売買につながる根本原因に取り組むことで、人身売買を未然に防ぐ活動を行っている。子どもたちを守るために、地域社会が自分たちのニーズにマッチしたさまざまなグループを作ろうとしている。
彼らのビジョンは、ヨハネの福音書10章10節「盗人が来るのは、盗んだり、殺したり、滅ぼしたりするためにほかなりません。わたしが来たのは、羊たちがいのちを得るため、それも豊かに得るためです」にある。人身売買の根本原因に取り組むことにより、子どもたちが自由を得て、学校教育を受けて健全に成長し、人生を楽しむ機会が与えられるのだ。
「何よりも、私たちは全体的な和解が起こるような、全体的変革をもたらそうとしているのです。それこそが、私たちがこの世界全体において果たすべき、神の大きな使命なのです」とグロリアスは言う。
人身売買に対するワールド・コンサーンの取り組みのために祈ろう。バングラデシュの福音化とともに、同国の社会的規範が変革され、全ての子どもが神の像(かたち)の担い手として尊厳をもって扱われるよう祈っていただきたい。
■ バングラデシュの宗教人口
イスラム 89・0%
プロテスタント 0・5%
カトリック 0・2%
ヒンズー 9・1%
仏教 0・6%
土着の宗教 0・5%