Skip to main content
2025年7月1日18時56分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(15)「癒やされた人の告知」―ユダヤ人たちの迫害が始まる― 臼田宣弘

2023年7月26日10時15分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
バルトロメ・エステバン・ペレス・ムリーリョ「ベトザタの池で麻痺(まひ)患者を癒やすキリスト」(英国立美術館所蔵)
バルトロメ・エステバン・ペレス・ムリーリョ「ベトザタの池で麻痺(まひ)患者を癒やすキリスト」(英国立美術館所蔵)

今回は、5章9節b~18節を読みます。

立ち去ったイエス様

9b その日は安息日であった。10 そこで、ユダヤ人たちは病気を癒やしていただいた人に言った。「今日は安息日だ。床(とこ)を担ぐことは許されていない。」 11 しかし、その人は、「私を治してくださった方が、『床を担いで歩きなさい』と言われたのです」と答えた。12 彼らは、「お前に『床を担いで歩きなさい』と言ったのは誰だ」と尋ねた。13 しかし、病気を治していただいた人は、それが誰であるか知らなかった。群衆がその場にいたので、イエスはそっと立ち去られたからである。

前回、イエス様がエルサレムのベトザタの池のほとりで、38年間も病気で苦しんでいた人を癒やされた話をお伝えしました。癒やされた人は床を担いで歩き出しました。イエス様は、その後すぐにその場所から立ち去られます。ヨハネ福音書は、レトリカルに13節までそのことを伏せています。

ここでヨハネ福音書は、この日が安息日であったことを明らかにします。安息日は、モーセの十戒によって仕事をすることが禁じられていました。物を運ぶ行為は仕事に値することであったのです。ここから5章の最後までモーセが話題とされていますが、床を担ぐことは物を運ぶことであり、安息日にそれを行うことは、モーセの十戒に反するとされていたのです。

ヨハネ福音書では、ここからユダヤ人たちのイエス様に対する本格的な迫害が始まります。ただ最初は、イエス様よって癒やされた人に対して攻撃がなされました。ユダヤ人たちは、癒やされた人に対して、「今日は安息日だ。床を担ぐことは許されていない」と言いました。しかしこの人は、「私を治してくださった方が、『床を担いで歩きなさい』と言われたのです」と答えます。この人はイエス様とは初対面であったのでしょう。イエス様のことを何も知りませんでした。

イエス様との再会

14 その後、イエスは、神殿の境内でこの人に出会って言われた。「あなたは良くなったのだ。もう罪を犯してはいけない。さもないと、もっと悪いことが起こるかもしれない。」

癒やされた人はその後、神殿でイエス様と再会します。ところで、この癒やされた人は、一般的にはネガティブに捉えられています。9章に登場する癒やされた目の見えなかった人と比較されることが多いのですが、9章の登場人物は信仰告白しているのに対し、5章に登場するこの人は、言葉で信仰告白をしていないため、よりネガティブな解釈が散見されます。

そうした中で、この癒やされた人に対して、徹頭徹尾ポジティブな見解を与えているのがオディです(G・R・オディ著『NIB新約聖書注解5 ヨハネによる福音書』113~116ページ)。彼によれば、この癒やされた病者の出来事は、9章に登場する目の見えなかった人の癒やしの出来事とコントラストをなすのではなく、むしろその予示なのです(同書115ページ)。

私は、イエス様が神殿で語られるこの言葉に「聖性」を感じます。そして、「もう罪を犯してはいけない」という言葉がかけられたのは、この人が単に体を癒やされて終わりではなく、「霊的にも健康になる必要」(同書115ページ)があったからなのです。

つまり、この癒やされた人には、永遠の命への道が示されているのであって、この人がそれを拒否していることはどこにも見当たりません。私は、オディの主張を基調にして、この癒やされた人の話を読むことが、自然な読み方であると捉えています。

第1回でお伝えしましたように、ヨハネ福音書が書かれた目的は、①イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、②信じて、イエスの名によって命を得るためです(20章31節)。ユダヤ人などの反対者ではない登場人物たちは、この2つの目的に読者を誘(いざな)っているのです。今回の癒やされた人も、「霊的にも健康になる」言葉をかけられたことが伝えられていることによって、その目的を果たしていると思います。

いずれにしましても、ここでのイエス様との対面によって、癒やされた人は、自分を治した人がイエスであったことを知ったのです。

ユダヤ人たちの迫害が始まる

15 この人は立ち去って、自分を治したのはイエスだと、ユダヤ人たちに知らせた。16 そのため、ユダヤ人たちはイエスを迫害し始めた。イエスが安息日にこのようなことをしておられたからである。

癒やされた人はイエス様の元を立ち去り、恐らくベトザタの池に戻ったのだと思います。そしてそこで、「自分を治したのはイエスだ」と、当初は誰に治されたかを伝えることができなかった相手である、ユダヤ人たちにそれを知らせました。

このくだりも、多くのネガティブな解釈においては、「イエスの名をユダヤ人たちに密告した」という意味合いのものが多いのですが、オディは同書115ページにおいて、以下のように記しています。

それ故、この男の言葉は、ユダヤ人たちに対する肯定的な告知として読むことが可能である。この男に床を担いで歩けと命じたのは誰か、彼に安息日の掟(おきて)を破れとそそのかしたのは誰か、その点がユダヤ人たちの関心事であった。しかしこの男が彼等に知らせたことはそんなことではなかった。彼は「ユダヤ人たち」に「自分をいやしたのはイエスだ」と語っている。彼はイエスを安息日の掟破りとして密告しているのではなく、イエスこそ自分をいやしてくれた人であることを告知しているのである。

しかし、ユダヤ人たちは依然としていやしには興味を示さない。命を救ういやしは安息日にも認められるだろうが、38年も患っている人のいやしは日没まで待つことが当然出来るはずである。ユダヤ人たちが相変らず問題にしているのはただ一つ、安息日の掟破りである(16節)。この男の告知から、彼等はイエスを告発するために必要な証拠を手にいれる(「そのために」)。

しかしこの結末に関しては男には何の責任も無い。悪いとしてもせいぜい、彼は知らず知らずに彼等の手先になってしまったということで、それはユダヤ人たちが本当は何を問題にしているかを測ることが出来なかったからである(これは7節に示されたいやしに対する彼の態度と符合する)。しかし15節におけるこの男の行為は、14節のイエスの言葉を実行しようとする―欠けるところの無い生き方をする―ものであったのかもしれない。

癒やされた人の行為は密告ではなく、むしろ「『もう罪を犯してはいけない』というイエスの言葉を実行しようとしたのではないか」という解釈をしているのです。

私は、「自分を治したのはイエスだと、ユダヤ人たちに知らせた」という部分を読むと、第11回でお伝えした、サマリアの女性が町の人たちに、「さあ、見に来てください。私のしたことをすべて、言い当てた人がいます。もしかしたら、この方がメシアかもしれません」と告げたことと重ね合わせてしまいます。癒やされた人は、イエス様のなさったことを人々に告知する役割を果たしているのです。

しかし、ユダヤ人たちはそれを素直に受け取りません。逆手に取って、「安息日に床を担ぐように命じたのはイエスである」ということだけを切り取り、イエス様への迫害を始めます。サマリアの町の人たちは女性の告知を受け入れましたが、ユダヤ人たちは癒やされた人の告知を受け入れなかったのです。

16節は、後代のヨハネ共同体における編集者の手による説明句でしょう。この時からユダヤ人たちによるイエス様の迫害が始まったということを、ヨハネ福音書は読者に伝えています。

父が働くから私も働く

17 イエスはお答えになった。「私の父は今もなお働いておられる。だから、私も働くのだ。」 18 このためにユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうと付け狙うようになった。イエスが安息日を破るだけでなく、神を自分の父であると言い、自分を神と等しい者とされたからである。

癒やされた人はここで姿を消します。あるいは、この後イエス様が話されることを、片隅でそっと聞き続けていたのかもしれません。代わってイエス様が、ユダヤ人たちの前に再登場します。そして、彼らに「私の父は今もなお働いておられる。だから、私も働くのだ」とお答えになります。天地創造以後、神様は安息日に休まれるということはされていないからです。

18節も、後代のヨハネ共同体における編集者の手による説明句でありましょうが、それによりますと、これを聞いたユダヤ人たちは、安息日違反だけでなく、「自分と神を等しい者」としたとして、イエス様をさらに迫害するようになります。しかも今度は、殺そうと付け狙うようになりました。イエス様の十字架への歩みが始められることになったのです。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ福音書を読む(14)「ベトザタの池での病者の癒やし」―第3のしるし― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(13)「役人の息子の癒やし」―あなたの息子は生きている― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(12)「サマリアの女性」(4)―イエス様と弟子たちの会話― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(11)「サマリアの女性」(3)―町の人々の回心― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(10)「サマリアの女性」(2)―置いていかれた水がめ― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • ワールドミッションレポート(6月30日):インドネシア 静かに進む魂の変革

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(6)神の御手の内にある死という運命 臼田宣弘

  • 賢い時間の使い方「ゆっくり、今すぐに」 菅野直基

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(7)人は「単独者」である 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(6月29日):北朝鮮 大胆な一歩、北朝鮮で執り行われた秘密の洗礼式(3)

  • ワールドミッションレポート(6月30日):インドネシア 静かに進む魂の変革

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明

  • 全ての人の主イエス・キリスト 万代栄嗣

  • シリア首都で教会狙った自爆テロ、25人死亡 現地のキリスト教徒ら、さらなる暴力懸念

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(225)エンディングを伴走して日本宣教を進めよう! 広田信也

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(233)聖書と考える「キョコロヒー」

  • ヨハネの黙示録(4)死とハデスの鍵 岡田昌弘

  • ワールドミッションレポート(6月30日):インドネシア 静かに進む魂の変革

  • 花嫁(28)伝道の思い 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(7月1日):スーダンのラフォファ族のために祈ろう

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.