衛星放送の福音番組を用いて、中東と北アフリカの人々に福音を伝えている宣教団体SAT-7がある。同団体創設者のテリー・アスコット氏は言う。
「パンデミック以来、自宅にいながら教会の礼拝に参加したり、オンラインで他の人々と交わる機会が増えましたが、私たちはこれが何を意味するかよく知っています。過去20年間、私たちが宣教してきた多くの人々にとっては、これが常に現実だったのです」
孤立した信者の中には、住んでいるその地域で唯一の信者であったり、個人的に他の信者仲間を知らない人もいる。SAT-7による衛星やオンライン番組が、彼らにとっては、キリストの体とつながる唯一の接点だというケースもある。
小さな家の教会のリーダーでさえ、神学的な訓練を受けていないことが多い。その必要性に応えて、SAT-7はTEACHプログラム(Theological Education for Arab Christians at Homeの略)をスタートした。
「このプログラムでは、神学校で学ぶようなさまざまなことを教えます。というのも、家の教会や小さな家族礼拝は、広範に送信された放送を通してキリストに出会った最初の人々によって率いられているため、彼らは何の訓練も受けていないのです」とアスコット氏は言う。
「体系的な教えと交わりを提供することは、地下教会、つまりさまざまな国で孤立した信者のグループにとって、非常に重要なことなのです」
このミニストリーでは、電話カウンセリングのホットラインなど、視聴者とつながるためのさまざまな手段を提供している。
「私たちは毎日、およそ千件にも及ぶ視聴者からのレスポンスを受けています。それを処理し、視聴者のあらゆるニーズに応えようとするのは、かなり難しいことです。アラビア語、ペルシャ語、トルコ語を話せる方がおられますか。SAT-7はあなたの助けを必要としています。SAT7USA.ORG までご連絡ください」
こう言ってアスコット氏は話を締めくくった。
何ということだろう。視聴者からの応答が殺到してフォローが追いつかず、うれしい悲鳴が止まらない。衛星放送やオンライン放送で投げられた福音の網は、今やイスラム圏の真理を求める人々によってはち切れんばかりになっている。中東と北アフリカ、アジアのイスラム圏のエリコの城塞は、軋(きし)みながら瓦解(がかい)することが目前であることを予感せずにはおれない。
主イエスは言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、ご自分の収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい」(ルカ10:2)
収穫の主に願って、SAT-7のはち切れんばかりの収穫の網を引くために、言語に堪能でフォローアップのできる熟練した奉仕者が与えられるよう祈ろう。
イスラム圏諸国が大きな地響きを立てて崩れ落ち、アブラハム信仰の本流である「世界を祝福するあの子孫」(創12:3)、またモーセが、同胞の中から起こされると予告した「私のような一人の預言者」(申18:15)であるナザレのイエスに立ち返ることができるよう祈っていただきたい。