ダノ(仮名)は、アニミズムの土着宗教を信仰していた両親のもとに育ったが、父親が亡くなってから、彼は神に立ち返り、主イエスを救い主として受け入れた。ある日、彼は驚くべき幻を見た。
「完熟したブドウの木が、摘み取られるのを待っていました。天使が私に、ブドウを摘んで食べるようにと言いました。もし私が摘み取って食べないなら、天使は別の誰かを遣わすと言ったのです」
ダノがそのビジョンを牧師に話すと、彼らはダノが献身するように召されていると結論付けた。
ダノは仏教徒の村に行き、村長に会って、村の子どもたちを無料で教えたいと申し出た。村長は、福音を宣(の)べ伝えないという条件で、子どもたちに教える許可をダノに与えた。
ダノは、説教はしなかったが、子どもたちに聖書の短い節や賛美を教えた。そして、祈りの中で絶えず彼らのためにとりなした。ダノは村のために祈りの歩行も始めた。朝4時に起きると、声を出して祈りながら村を歩いた。
しかし、それを見た住民たちが村長にクレームを入れたのだ。村長はダノに、祈ることを禁じたが、彼は諦めなかった。彼は主に訴えて、真夜中にも村のために祈り続けた。彼は祈りで、この村は主のものだと訴えた。さらに、彼と彼の家族は毎週土曜日に断食をしたのだ。
キリスト教を信仰していたため、ダノの実子の子たちはしばしば他の子どもたちから脅かされ、教師たちはダノの子どもに無理に念仏を唱えるよう迫ることもあった。
ダノの家の前には、怒った村人たちが集まったこともあった。村長や他の指導者たちは、ダノを懲らしめるために、何度も彼を探しに来ることもあったが、どういうわけか、村長たちが来たときには、いつも奇跡的なタイミングで、ダノを見つけることも会うこともできなかった。
ある時には、ダノは銃を突きつけられたのだが、この時は銃がうまく作動しなかったのだ。驚いた村人たちは、仕方なく無傷のままダノを行かせた。
ダノはひどい扱いを受けていたが、村人たちは何か困ると、こっそりダノに助けを求めに来ることがあった。ある時、副村長が自分の息子のことで、ダノに助けを求めに来たのだ。彼の息子は、地元の神を祭る祠(ほこら)の近くの森に出入りしているようだった。副村長の息子の行動と健康状態は悪化し、明らかに悪霊にとりつかれている様子だった。
多くの村人が頼りにしていた医者や魔術師は、若者を助けることができず、全ての望みが絶たれたと思われたとき、副村長の家族はダノが病人のために祈っていたことを思い出した。八方手を尽くしてもダメだった彼らは、ダノに反対していたため気まずい思いをしながらも、他にあてがなかったのでダノに助けを求めた。
この時のことをダノは振り返って言った。
「副村長の家族は、自分たちが散々私に敵対していたので、私は怒って、彼らの身勝手な要請を拒むだろうと思っていたそうです。しかし実際は真逆で、私自身は彼らに手を差し伸べる良いチャンスだと思ったのです」
彼は準備のために3日間断食して祈った。そうしてダノは若者を探しに出て行った。すると副村長の息子は彼を見つけるなり、「あいつは俺を捕まえるつもりだ!」と叫びながら逃げ出した。
しかしダノは、怯(ひる)まなかった。彼は夜の11時に祠に戻り、悪魔に出てくるように命じた。そして祠を燃やし、副村長の息子に立ち向かった。ダノが主イエスの御名によって悪霊に命じると、悪霊はその若者から去って行ったのだ。
ところが、村人たちの報告によると、この時に出て行った悪霊は、副村長の息子についていたものだけではなく、村の全ての悪霊が同時に出て行ったというのだ。
なんとその結果、副村長とその家族、そして他の4家族がイエス・キリストを救い主、主として受け入れたのだ!ハレルヤ!
その後、他の村人たちもすぐにキリストを受け入れた。かつてダノに反対していた村人たちも、今ではダノに耳を傾け、彼の指導のもと導かれているのだ。彼は今、その村で教会を始め、近隣の仏教徒の村にも手を差し伸べるビジョンを持って、奉仕に汗をかく。
以下はダノと教会の祈りのリクエストだ。
「勇気と継続的な伝道のための力と守りが与えられ、主イエスに立ち返った村の家族の弟子化のプロセスが守られるように。また、近隣の村々に福音が届けられるように道が整えられ、村の人たちが福音を受け取る心の準備ができるように、どうか祈ってください」
彼らのリクエストのために祈ろう。タイやカンボジア、ミャンマーなどの厳しい仏教国が、近年福音によって開かれつつある。彼の国の霊的目覚めのために祈っていただきたい。
■ ミャンマーの宗教人口
仏教 80・0%
プロテスタント 7・0%
カトリック 1・3%
イスラム 7・2%
ヒンズー 0・4%