神は、多くの魂がイエス・キリストを信じ救われる「大収穫」をアジアで起こそうとされている。そのアジアのリバイバルの鍵は、日本にある――。
このビジョンを胸に2019年から東京で開拓伝道を始めた教会「Awakening Tokyo」が、宣教の最前線で活躍する世界各国の指導者をゲストスピーカーとして招き、2日間にわたる「アジア宣教カンファレンス」を開催した。
カンファレンスでは、海外からのスピーカー4人の他、Awakening Tokyo の創設者である森下将光牧師と妻の森下エスター牧師が講演。アウトリーチ(伝道)の実践的なトレーニングも行い、参加者はスピーカーの話を聞くだけでなく、実際に街頭に出て伝道も行った。
「神様は全て知った上で、私たちをこの時期に用いる」
1日目の最初のスピーカーは、米サンフランシスコで30年以上牧会し、現在は国際的な教会ネットワーク「キャッチ・ザ・ファイヤー」の指導者コミュニティー「リーダーズ・アライアンス」でディレクターを務めるマイケル・ブロデュー牧師。バビロン捕囚前の非常に困難な時期にあったイスラエルで、若くし預言者として神に召し出されたエレミヤについて語った。
神が初めてエレミヤに語りかけた言葉は、「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた。母の胎から生まれる前に、わたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた」(エレミヤ1:5)というものだった。
ブロデュー牧師は、「神様はあなたの人生をずっと前から計画され、人生に目的を持ってくださっています。神様は、あなたが生まれる前からいろいろと働かれているのです」と強調。人生で経験するさまざまな苦難さえも、神様は全てを用いて働かれると伝えた。
しかし、エレミヤは神の召命に対し、「わたしは語る言葉を知りません。わたしは若者にすぎませんから」(同1:6)と言う。ブロデュー牧師は、召命に対する言い訳は皆が持っていると指摘。それでも「知ってほしいのは、神様は自分たち以上に自分たちのことを知っているということです」と言い、「神様は全て知った上で、私たちをこの時期に用いようとしているのです」と伝えた。
その上で、「あなたに諸国民、諸王国に対する権威をゆだねる」(同1:10)の箇所から、神は召し出した人に権威を与えられること、また「わたしはあなたの口に、わたしの言葉を授ける」(同1:9)の箇所から、イエスを人々に伝えるには、まずは神の言葉である聖書を何よりも読まなければならないことを伝えた。そして、エレミヤにとっては預言者となることが召命であったように、それぞれに神からの特別な召命があるとし、各自に向けられた召命を見つけてほしいと伝えた。
2人目のスピーカーは、社会主義国家の中国で16歳の時に宣教者として召命を受け、「家の教会」を導いたブラザー・ユン氏。3度目の投獄時に奇跡的に脱獄し、ドイツに亡命したユン氏の半生は、『天国の人』として出版されている。さらに1日目は、世界34カ国で宣教や人道支援を行っている宣教師による国際団体「アイリス・グローバル」の前宣教部長で、昨年から東京に在住しているハーバート・バーブーティ牧師が、3人目のスピーカーとして語った。そして2日目は、森下牧師夫妻と、2人を日本に派遣したドイツに本部を置く宣教団体「Awakening Europe」の創設者であるベン・フィッツジェラルド牧師が、スピーカーとして語った。
1日目の午後には、Awakening Tokyo のアウトリーチリーダーである森井悠太さんによる伝道トレーニングも行われた。トレーニングの後には、参加者が2、3人の小グループを作り、カンファレンスの会場近くで路傍伝道を実践。約1時間の限られた時間の中でも、祈りの導きに応じてイエスを信じると告白した女性がいたことなど、各グループがそれぞれ体験したことを証しした。
東京ディズニーシーで伝道
Awakening Tokyo は、毎週日曜日の礼拝後には礼拝参加者皆で路傍伝道を行うなど、魂の「大収穫」の到来を確信し、日々地道に福音を伝え続けている。イエスを信じると告白したり、洗礼を受けたりする人は毎月起こされており、昨年11月と12月はそれぞれ3人が洗礼を受けた。
また、日々の伝道活動だけでなく、芸術イベント「クリエイティブ・カーニバル」をファッションブランドと共催したり、預言をテーマにした「預言カンファレンス」を開催したりするなど、ユニークな伝道活動を行ったり、他教会にも開かれた弟子訓練の場を提供したりしている。
昨年秋には、東京ディズニーシーで伝道を行った。「半分楽しみながら」の伝道だったというが、行き交う人たちに声をかけ、体に痛みを覚える人たちのために祈ると、20人以上が癒やしを経験したという。その様子の一部は、ユーチューブ(動画1・動画2)で公開している。
建物購入のために2億円の献金を呼びかけ
一方、現在会堂として使用している東京・三ノ輪の建物のためには祈りが必要で、祈りと共に献金の呼びかけも行っている。現在は、1階にカフェ、2階にホテルが入居する建物の3階部分約150平米を会堂として使用しているが、オーナーが建物と土地の売却を決めたのだ。そのため、今年1月末までには退去しなければいけない状況だという。
しかし、Awakening Tokyo は、逆にこれを「教会を拡張する大きな機会」と捉え、売却される建物と土地の購入を目指すことに決めた。建物は、屋上スペースが付いた3階建てで、最寄りの地下鉄駅から徒歩5分、人通りの多い商店街の中にあるなど好立地にある。
現在会堂として使用している3階部分だけでは50人程度しか収容できないが、1階のカフェ部分を改装すれば、倍の人数を収容できる。また、日本やアジアで活躍するクリスチャンリーダーの育成を目指す神学校の開校も計画しており、建物を購入できれば、神学校のためのスペースも確保できる。1階のカフェは、購入後も引き続きカフェとして運営可能で、ビジネス面や地域コミュニティーへの伝道という観点からもメリットがある。
建物と土地の購入には、改装費や必要機材の購入なども含め計2億円が必要だという。Awakening Tokyo は、特設ページを開設して献金を募っており、森下牧師夫妻は次のように呼びかけている。
「間違いなく人間の力や宗教では、この国を変えることはできません。しかし神は、力あるイエスの十字架とその愛に応え、心と命をささげて神を愛するクリスチャンを用いて、この世に光を照らします。今までの宣教の中で、多くの日本の若者たちが神によって変えられる姿を目撃してきました。今後も多くの魂の救いを刈り取り続けるために、キリストの体であり、神の家族である皆さんの支援を必要としています。
もしこれから来る魂の大収穫のためにささげたいという思いのある方がいましたら、是非この特別な種蒔(ま)きの機会をご検討ください。福音の土台に立ち、宣教のために生きる信仰者と教会が家族として一つとなり、助け合うことによって、この日本もアジアも必ず変えられていくと私たちは信じています」
なお、アジア宣教カンファレンスは、アーカイブ動画が販売されており、購入すれば当日参加できなかった人も視聴することができる。詳しくは、Awakening Tokyo のホームページを。