今年も暑い季節になりました。コロナ禍は収束しつつありますが、マスクを外せない人が多く、熱中症の危険が増しています。今後も猛暑が続きそうですから、感染症に対する恐れを早く払拭し、マスクのない生活を取り戻したいものです。
ご存じのように、もう1カ月以上前に厚生労働省は、野外はもちろん、室内でも状況に応じてマスクを外すように勧めています。行政の勧めがあると一斉に従いやすい日本社会ですが、今回いまだにマスクを外せない人が多いのは、これまでメディアなどから過度に恐怖心があおられたことによるのでしょう。
恐怖心をあおるデータと専門家の意見
コロナ禍の約2年半の期間、ほぼすべてのメディアを通し、恐怖心をあおるデータと専門家の意見が流れ続けました。おそらく冷静な判断を伝えようとした人も多いはずですが、不思議なほど、それらの情報は遮断されてきました。
なぜ、このような偏向報道が続いたのか。いまだに真相は分かりませんが、陰で陰謀論がささやかれるのも無理からぬことです。
通常、感染症の被害状況は発症者数で判断されますが、今回メディアを通して日々伝えられたのは感染者数でした。恐怖心がまん延し、検査体制が整うにつれ、発症していない人でも検査を受けますので、検査件数と感染者数が増えるのは当然のことです。この数字が多いからといって、被害が拡大しているわけではありません。
また、重症者数と死亡者数に関しても、毎年10万人程度が風邪をこじらせて肺炎で亡くなる日本ですから、例年に比べ被害がどのレベルにあるかを伝えなければ実態が分かりません。さほど多くない毎日の死亡者数と個別の事例を強調するメディアの発信は、現状を冷静に判断する力を削ぎ、恐怖心をあおるだけになりました。
これらに加え、メディアに登場する専門家は、一層恐怖心をあおる言動を繰り返しました。日本社会は、専門家の言動をうのみにする傾向が強く、大きな影響があったと思います。
通常、組織(利権)につながる専門家は、社会の動向と歩調を合わせることを強く求められますので、恐怖心をあおるメディアと歩調を合わせてしまいました。
高齢者施設や病院への影響は甚大
このような過度にあおられたコロナ禍により、今も多くの方が厳しい生活を強いられていますが、特に弱さを抱える病人や高齢者への被害は甚大です。
私の母は2年ほど前に体調を悪くし、検査と応急処置のため病院への入院を余儀なくされました。その際、面会できない個室で不安定な精神状態となり、せん妄状態で立ち上がり、心不全を起こしたことが引き金になり、退院後間もなく亡くなりました。
コロナ禍のため、面会できない病院に入院する以外、選択がなかったとはいえ、傍らで支えることができず、大変かわいそうなことをしました。
病院だけでなく、高齢者施設に入居されている高齢者は、施設の中に閉じ込められ、愛する家族や友人に会うことさえできなくなりました。施設側もビデオ通話などで話ができるように工夫をしていますが、適応しにくい高齢者にとって、厳しい状況が続いています。
病院や施設は、身近に感染者が出ると批判の的になりますから、面会禁止にしたくなる気持ちは分かります。ただ、恐怖心をあおられた日本社会への対応を優先し、最も弱い立場にある人たちを犠牲にしている現状を認識し、勇気ある最善の対応を取っていただきたいと思います。
情報や利権に惑わされない勝利の人生
今回のコロナ禍を通し、私たちの生きる現代社会が、すでにあふれるほどの歪んだ情報と、巨大な利権に覆われるグローバル社会になっていることがよく理解できたように思います。
もし、私たちがこの世の流れに身を任せているなら、いつの間にか、人間らしい心を失い、家畜や奴隷のように生かされる危険さえ感じています。
しかし、このような危機的な状況に勝利できる唯一の方法が、私たちには備えられています。それは、神様によって造られ、神様によって愛される「私自身を、まず愛する」こと。そして、自分自身を愛するように「家族、友人、隣人を愛する」生き方を選ぶことに尽きるように思います。
たとえ、どのような歪んだ情報や巨大な利権に覆われても、愛することを選び取り、ぶれることなく圧倒的な勝利の人生を送るなら、それこそ、神の似姿である人間らしい生き方と言えるのでしょう。
しかし、これらすべてにおいても、私たちを愛してくださった方によって、私たちは圧倒的な勝利者です。(ローマ人への手紙8章37節)
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