毎年恒例の「聖書朗読マラソン」が1日から5日にかけて、米首都ワシントンで行われた。連邦議員らも参加し、参加者が交代しながら約90時間かけ、創世記からヨハネの黙示録まで聖書全巻を通読するもので、今年で32回目の開催となった。
例年は毎年春に連邦議会議事堂のウェストテラスで開かれるが、昨年は新型コロナウイルスの影響で9月に延期され、また今年2月に行われた大統領就任式の準備の兼ね合いなどから、連邦最高裁近くにある宣教団体「フェイス・アンド・リバティー」で開催された。
今年はウェストテラスでの開催を計画していたが、1月に発生したドナルド・トランプ前大統領の支持者らによる議事堂占拠事件の影響で、現在も立ち入りが制限されていることから、昨年と同様、フェイス・アンド・リバティーで行われた。また昨年と同じく、朗読の様子はライブ配信され、オンラインでの参加もあった。
元共和党大統領候補のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)は、事前収録した1分間の冒頭メッセージで次のように語った。
「聖書は私たちが持っている最初の、そして最も重要な文書であり、2番目のものはこの国の憲法だと思います。そしてもちろん、憲法は聖書の原則に基づいて制定されました。ですから私たちが目指すのは、人々が聖書に立ち返り、聖書について考え、聖書の重要性を人々に示すよう努めるようにすることです」
主催する聖書配布団体「シードライン・インターナショナル」(インディアナ州)のキース・デビッドソン代表は、米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)の取材に、米国民の多くが聖書の原則から遠く離れてしまったと嘆いた。しかしその一方で、米国の指導者の大半が世俗的な原則に立っているものの、米国には依然としてキリスト教的な原則の強い基盤が残っているとし、この聖書朗読マラソンによって再び米国が聖書の原則にしっかりと立つようになることを願うと語った。
議事堂は現在も立ち入り制限が続いているが、シードライン・インターナショナルはすでに、来年の開催に向け、ウェストテラスの使用許可を申請しているという。