こんな時にどうするQ&A 聖書的原則と私の体験(25)
男性の場合、定年になってから信仰を持つ人が多いが
現在の我が国におけるキリスト者の数は、実質的には対総人口比で0・5パーセント以下といわれている。また我が国においては、女性信徒に比較して男性信徒の数が非常に少ない。従って、男性キリスト者の数は、対総人口比で0・2パーセント以下と推測される。このことから、我が国において男性がキリスト者になることは、極めて困難なことと思われる。さらに問題なのは、キリスト者になる男性は、定年になってから信仰を持つことが多く、働いている最中の男性が信仰を持つことは、極めてまれな状況となっているということである。
しかし私は、自分自身の経験からも、家庭においてはリーダーであり、また仕事の場においてはリーダーあるいはビジネスマンとして、労苦しながら懸命に働いている男性こそ、定年後ではなく、働いている最中に信仰を持つべきだと強く思わされている。その理由は・・・
(イ)信仰を持つことによって、仕事が祝福されるとともに、喜んで仕事をすることができる者へと徐々に変えられていくからである。詩篇128:1、2に「幸いなことよ。すべて主を恐れ、主の道を歩む者は。あなたは、自分の手の勤労の実を食べるとき、幸福で、しあわせであろう」とある通りである。
(ロ)仕事の苦しみや試練を通して信仰が強められ、品性が練り上げられていくからである。ローマ5:3〜5に「そればかりではなく、患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。この希望は失望に終わることがありません」とある通りである。品性が形成されていくことは、仕事そのものにおけるだけではなく、仕事以外の面においても大変重要なことである。
(ハ)信仰を仕事の場など、実際の社会の場で働かせるべきだからである。それは、社会が急激に変化しつつあり、また混迷しつつある中にあって、神によってはっきりとした方向付けが与えられリードされていく必要があるためである。また、社会における倫理感が希薄になってきており、それを取り戻す必要があるためである。さらに、企業の巨大化や集中化により、権力型のリーダーシップはますます強くなり、真のリーダーシップが見えなくなりつつあるためでもある。
(ニ)仕事の場で神を証しし、福音を宣教する者となれるからである。これは、神がキリスト者に対して最も願っておられることであり、それを行うことによって、人生におけるすべてのことが祝福となっていくからである。マタイ28:19に「それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け」とある通りである。
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(参考並びに引用資料)
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・ヘンリー・シーセン(1961年)『組織神学』島田福安訳、聖書図書刊行会
・ジョージ・S・ヘンドリー(1996年)『聖霊論』一麦出版社
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