こんな時にどうするQ&A 聖書的原則と私の体験(20)
大組織の中で1人戦うクリスチャンに
キリスト者が人口比で1パーセント未満のわが国においては、キリスト者は未信者の方々に囲まれて仕事をすることが多い。組織が大きくなればなるほど、その傾向はより顕著となり、大組織の中でキリスト者は自分1人というケースも多くあるものと思われる。そのような状況においては、やりづらいなという感じを抱くことや、知らず知らずのうちに消極的な思考にとらわれてしまうことが多いものと思われる。
例えば、自分の置かれている状況をどうすることもできないと考え、仕方なく諦めの境地でそこに居続ける、もっと他に仕事のやりやすいより良い環境があるのではないかといつも他に心を向ける、自分はこのような大組織の中で主のために何かをなすというようなことは到底できないと無力感にさいなまれる、神はなぜ、このような困難な場に自分を置かれたのかと不平不満を抱きつつ過ごすなどの思いである。
そのような消極的な思いにとらわれているときには、まず、自分だけがそのような思いにとらわれているのではない、キリスト者は皆この世にあっては、大なり小なりそのような思いにとらわれるものであると認識し、自分を客観的に見つめることが必要である。次に、自分はこの世から贖(あがな)い出された者であり、この世の価値観によって生きているのではないので、摩擦や困難に遭遇するのは当然である、しかし一方で、自分はこの世では完全にされているのではなく依然として罪の性質を有しており、この世からの攻撃を受けやすい弱い存在にすぎない、という自覚を持つことが必要である。
そのような認識や自覚に立った上で、キリスト者の思考は、神に目を向けずに自分の思いの中だけに留まるときに消極的になり、反対に、神に目を向け、自己の思いから脱却するときに積極的になることを覚え、自分は神によって召されてそこにいるという明確な召しの認識を持つことが大切である。Ⅰコリント7:24に「兄弟たち。おのおの召されたときのままの状態で、神の御前にいなさい」、またエペソ4:1に「召されたあなたがたは、その召しにふさわしく歩みなさい」とある通りである。
キリスト者は、この召しの認識を明確に持ち、主に委ねていくときに、聖霊の助けによって積極的に戦い抜く力を神から頂くことができるようになる。キリスト者は、1人で戦う者ではなく、いつも神が共に戦ってくださる者であるということを覚えたい。そのように神の方に向きを変えるとき、キリスト者は神から祝福が与えられ、自分を通してその祝福が周囲に及んでいくことを見ることができるようになる。キリスト者は、大組織の中で1人戦うことこそ、信仰と労働の良き実践の機会であるということを覚えたい。
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(参考並びに引用資料)
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