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日本にユートピアを夢見て 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」東京・上野の東京都美術館で開催中

2017年11月29日15時36分
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日本にユートピアを夢見て 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」東京・上野の東京都美術館で開催中+
フィンセント・ファン・ゴッホ「画家としての自画像」1887/88年、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵 ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」(主催:東京都美術館、NHK、NHKプロモーション)が東京・上野公園の東京都美術館で開かれている。オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホが日本の浮世絵に魅せられていたことに焦点を当て、日本初公開作品も含めた油彩画やデッサン、浮世絵の模写などが展示されている。来年1月8日(月・祝)まで。

会場は、ファン・ゴッホと日本との相互関係にスポットを当てた2部構成となっている。第1部は「ファン・ゴッホのジャポニスム」。ファン・ゴッホは日本からどのような影響を受け、また日本にどのようなイメージを抱いていたのだろうか。本展では、国内外のコレクションから厳選した作品約40点と、同時代の画家の作品や浮世絵など50点あまりを鑑賞しながら、その実像を多角的に検証できるようになっている。

1853年に生まれたファン・ゴッホは、オランダ改革派の牧師の祖父と父を持ち、自らも聖職者の道を志した。しかし、イエス・キリストの愛と実践をそっくり真似(まね)るという一見狂気じみた情熱的な信仰は、現実の教会システムに収まりきれず、身の置き場をなくしてしまった。

画家として生きる道を選んだファン・ゴッホは86年にパリに移り、そこで浮世絵と出会う。その独特な明るい色彩と、自然に対する生き生きとした洞察力に魅了され、浮世絵版画を収集し、それを模写した油彩画を描き、構図や色彩を学び取っていった。

日本にユートピアを夢見て 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」東京・上野の東京都美術館で開催中
フィンセント・ファン・ゴッホ「花魁」(溪斎英泉による)1887年、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵 ©Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)
日本にユートピアを夢見て 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」東京・上野の東京都美術館で開催中
溪斎英泉「雲龍打掛(うんりゅううちかけ)の花魁」1820~30年代、 千葉市美術館蔵、東京展後期展示、他の会期では個人蔵作品を展示

本物の浮世絵と、それに影響を受けた作品との関係を実際にたどってみると、ファン・ゴッホが浮世絵の技法をそのまま取り入れたわけではないことに気付かされる。オランダのファン・ゴッホ美術館館長のアクセル・ルーガー氏は、「浮世絵に存在するものをあるがままに抽出し、変容させている」と解説しているが、会場に並ぶ数々の傑作を見ることで、そのことを実際に確認できる。

ファン・ゴッホが活躍した時代、浮世絵に影響を受けた欧州の芸術家は多くいるが、その中でもファン・ゴッホは、技法だけでなく、日本の生活文化やそこに生きる日本人に対して独自のイメージを抱き、現実社会で実践できなかった社会的・宗教的理想をそこに結び付けて、自らもそれを実践しようとしたところに特徴がある。

「素朴でありながら、『真の宗教』を実践する人、愛し合いながら兄弟愛に満ちた生活を送り、金銭欲などなく、一介の労働者のような生活をしている人」

これが、当時のファン・ゴッホが抱いた日本についてのイメージだ。日本の芸術や、日本の生活が紹介された文章から感じ取った日本を創作意欲の源とし、信仰の理想郷、地上の「神の国」として日本というユートピアを作り上げていったのだ。また、それを自ら実践しようとしたのが、88年にファン・ゴッホが住んだ、外壁が黄色に塗られた2階建ての建物、アルルの「黄色い家」。しかし、そこで彼は結局、有名な「耳切り事件」を起こしてしまうのだが、そこに日本が関係していたことに改めて驚かされる。

第2部は「日本人のファン・ゴッホ巡礼」。その死後、今度は日本人たちがファン・ゴッホを称賛し、理想化するようになった。とりわけ熱心だったのは、小説家の武者小路実篤(むしゃのこうじ・さねあつ)、画家の岸田劉生(りゅうせい)、美術史家の児島喜久雄ら、「白樺(しらかば)派」およびその周辺の文学者や美術家だ。大正から昭和初期にかけて熱狂の渦は徐々に広がり、渡仏した日本人の多くが、ファン・ゴッホの作品と足跡が残るオーヴェールを訪れるようになった。

ファン・ゴッホが最晩年に交友を持ったオーヴェールの医師ガシェの家には、3冊の芳名録が残っていた。そこには、1920年代に憧れの画家の終焉(しゅうえん)の地を訪れ、その足跡をたどった日本の画家や文学者240人あまりの署名が記されている。

さらに、オランダのハーグに拠点を置くクレン=ミュラー夫妻も数多くのファン・ゴッホ作品を所有し、1929年にそのコレクションによる展覧会を開催したが、その際、画家の荻須高徳(おぎす・たかのり)をはじめ、20人以上の日本人の名前が芳名録に残されている。

日本にユートピアを夢見て 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」東京・上野の東京都美術館で開催中
佐伯祐三「オーヴェールの教会」1924年、鳥取県立博物館蔵

同展では、そうした日本人のファン・ゴッホ巡礼を、約90点の豊富な資料によって辿(たど)れるようになっている。また会場には、ファン・ゴッホの絵を基にした日本人による作品も展示されている。佐伯祐三が描いた「オーヴェールの教会」(1924年)は、ファン・ゴッホの名画と同じ構図で描かれたものだが、その違いを改めて知ることになるだろう。また、背景に浮世絵が描き込まれた「タンギー爺さん」を奥山儀八郎が木版画にした「ゴッホ作《タンギー爺さん》による版画」(1952年)も見ることができる。

同展は、来年1月10日からは京都の京都国立近代美術館で開催される。

開室時間は午前9時半から午後5時半まで(入室は閉室の30分前まで)。金曜日は午後8時まで。月曜日休室*1月8日(月・祝)は開室。【年末年始休館】12月31日(日)、1月1日(月・祝)。観覧料は、一般1600(1300)円、大学生・専門学校生1300(1100)円、高校生800(600)円、65歳以上1000円(800円)。( )内は20人以上の団体料金。中学生以下、障がい者手帳所持者と介護者1人は無料。12月20日(水)はシルバーデーにより、65歳以上は無料。毎月第3土曜・翌日曜日は家族ふれあいの日により、18歳未満を同伴する保護者(都内在住、2人まで)は一般当日料金の半額。詳しくは同展の特設ページを。

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