少し寒かったり、暑かったりすると、「地球温暖化のせいだ」と口にする気象の専門家がいます。また、別な気象学者は「地球は温暖化ではなく、寒冷化に向かっています。やがて氷河期が来ます」と発言しています。
ある学者の説明によりますと、「温暖化も寒冷化も地球自身のせいではなく、全て太陽の黒点活動が不安定になることから始まります」と言っています。
古代のエジプト文明もマヤ文明も、天文学の中心は太陽活動を注視することでした。太陽の働き方で冷害による不作になったり、大雨が降り、洪水になったりします。
聖書の世界をみても歴史の流れをみても、飢饉(ききん)は何度も繰り返されていることが分かります。江戸時代の日本では100年ごとに異常気象による大飢饉が発生しています。また、中世のヨーロッパでは小氷河期のためにテムズ川が凍り、人々がその上を歩いて行き来していたともいわれます。
エジプトに奴隷として売られていたヨセフは、神様から与えられた霊力により、7年間の豊作とその後に来る7年間の飢饉の時を予見します。エジプトの王に宰相の地位を与えられ、食物を可能な限り保存し、飢饉に備え、国難を乗り切っていきます。(創世記39〜41章)
「見よ。主の目は主を恐れる者に注がれる。その恵みを待ち望む者に。彼らのたましいを死から救い出し、ききんのときにも 彼らを生きながらえさせるために」(詩編33:18、19)
これは私の勝手な予見ですが、地球は小氷河期に向かっているように思います。異常気象のために寒冷化になり、水不足に陥り、十分な収穫ができないのではないかと思います。また、日本で起きている深刻な問題は、放射能汚染により、穀物を収穫できなくなり、牛乳などが飲めなくなっていることです。
食物が足りなくなれば、外国から輸入しなければなりません。ところが、オーストラリアや米国など穀物輸出国が干ばつに苦しんでいます。
日本では、もう1つの飢饉問題があると思います。食料品店やスーパーマーケットには食べ物があふれているのですが、農薬や食品添加物などの問題により、安心して食べられる安全な食品は入手が難しくなっています。
世界的に水不足や食料不足の問題が起きますと、紛争になり、やがて戦争になっていきます。食物問題を解決することは世界平和にも寄与します。第2のヨセフの出現が待たれます。
経済的には豊かだと思われている日本でも、子どもの貧困が深刻な社会問題になり、社会保障制度の谷間でその日の食べ物にも事欠き、餓死してしまうような悲惨な事例が新聞報道に出ることもあります。
教会や寺院などがフードバンクなどと提携してフードステーションとなり、必要な人が気軽に食べ物を受け取れる仕組みづくりに奮闘しているのをテレビで見ました。とても素晴らしい働きだと思います。
食べ物の飢饉だけでなく、神の言葉を聞くことの飢饉も深刻な状況になっていると思います。今日の社会は情報過多の状態ですので、必要な情報が届きにくくなっています。
これはカトリックの神父さんたちの集まりで聞いた話ですが、かつて中世ヨーロッパのカトリック教会では、制度疲労とも呼ばれる状況で神の恵みが届きにくくなっていました。そこにマルティン・ルターが立ち上がり、改革を呼び掛け、プロテスタント運動が起こっていきます。
それに呼応するように、カトリックの内部改革を訴える修道会が起こります。それがイエズス会ですが、そのメンバーの1人がフランシスコ・ザビエルです。イエズス会は海外宣教を積極的に進めるようになり、ザビエルの日本宣教に発展していきます。ルターの働きは間接的に日本宣教にも影響していたということができます。
今日、日本宣教はさまざまな壁に直面し、衰退のニュースが耳に入ります。働き人の減少で3つの教会を掛け持ちしている教職者は珍しくなく、2つの県、3つの県をまたいで奉仕している人もいます。また、教会だけでなく寺社仏閣の閉鎖のニュースも聞きます。
宗教に与えられている課題の1つに終末医療の問題があります。人生の最期を迎えようとする人々に積極的に寄り添っていくことは、宗教に与えられた大切な使命であると思います。看取りの問題、葬儀のこと、納骨のことなど、誰も逃れることはできません。冠婚葬祭を通して神の言葉を発信していくことで、社会の転機に関わっていけるのではないかと思います。
「私たちは神とともに働く者として、あなたがたに懇願します。神の恵みをむだに受けないようにしてください。神は言われます。『わたしは、恵みの時にあなたに答え、救いの日にあなたを助けた。』確かに、今は恵みの時、今は救いの日です」(Ⅱコリント6:1、2)
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