家庭生活に対する心構え
ビジネスマンにとって良き家庭を形成することは、極めて重要である。それは、家庭の問題にとらわれることなく落ち着いて仕事をするために、また家庭で仕事の疲れを癒やし新たな活力を得るために、さらに仕事の場における良き人間関係形成の基礎を作るために、不可欠だからである。
ここでは特に、家族づくりにおいて大切な、家庭生活に対する基本的な勧め、良き夫婦関係構築への勧め、また良き親子関係構築への勧め、さらに子どもへの信仰の継承への勧め、の4つの勧めについて述べる。
(イ)家庭生活に対する基本的な勧め
ビジネスマンが良き家庭を形成するに当たっては、次のことが重要である。
第1は、優先順位を間違えないということである、すなわち優先順位の第1位を自分と神との関係に置くということである。神との関係を家族との関係より優先させる信仰生活の中で、夫婦関係や親子関係は自然と方向が整えられてくるし(マタイ6:33)、その他のものも与えられる。そしてまた、より多くの祝福を受けることができる。
第2は、私と私の家とは主に仕える(ヨシュア24:15)という意識を常に持ち続けるということである。
第3は、より具体的なことであるが、家庭においてリーダーであるビジネスマンは、家庭生活がうまくできないことの言い訳を会社生活や教会生活のせいにしないということ、また自分の過ごし方を家族に対していつも透明にしておくということ、さらに家族に対していつも心を開いておくということなどを常に覚えることが大切である〔25〕。
(ロ)良き夫婦関係構築への勧め
良き家庭を形成する上で最も大切なことは、良好な夫婦関係を構築することである。
理想とする夫婦関係とは、創世記2:18~24にあるように、夫婦が一心同体となるという明確な目標を持ち、その目標を目指して共に歩む関係である。それはまた、伝道者の書4:12に「もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚(よ)りの糸は簡単には切れない」とあるように、夫婦が神を中心として三つ撚りの糸に撚られて歩む関係でもある。そのような関係を構築するために有効な3つのことを勧めたい。
1つ目は、夫婦のお互いが相手よりも神を優先させることである。伴侶がキリスト者でない場合にも、神を優先させることが大切である。それによって伴侶が救われる可能性があるからである。
2つ目は、夫婦がコミュニケーションをよく取るということである。良き夫婦関係の構築にとって、コミュニケーションは極めて重要であり、お互いのことを良く理解し合うためには、きちんと向き合った会話を持つことが必要である。
3つ目は夫婦で一緒に行動することである。特に信仰面に関して、夫婦で時間を共有することや祈り合うことなどが大切である。そのことによって、三位一体の神の交わりと同じような親密な交わりを、夫婦の間で持つことができるようになるからである。
(ハ)良き親子関係構築への勧め
夫婦関係の次に大切なのは、親子関係である。子どもは家族に対する神の計画の一部であり、キリスト者の親は子どもに対する特別な責任を負うこと(エペソ6:1~4、コロサイ3:20~21参照)、また子どもは神から託されたものであり(詩篇127:3~5参照)、きちんと育てて(箴言4:1~5参照)神に返すという思いを持つことなどが大切である。良き親子関係を構築できることは、家族にとって祝福であり(詩篇112:1~3参照)、良き証しでもある(イザヤ8:18、テトス2:6~8参照)〔25〕。
良き親子関係の構築において、基本的に大切なこととしては、親子関係より夫婦関係を優先させるということ、また良い夫婦関係を子どもたちに見せるということである。実際的に大切なこととしては、親が子どもと共に過ごす中で良い生き方の見本を示すこと、また『大草原の小さな家』のような良き家族のサンプルを見せること、さらに御言葉に従ってよく訓育すること、そして親子で一緒に過ごす時間をできるだけ多く持つことなどである。
(ニ)子どもへの信仰の継承への勧め
キリスト者のビジネスマンにとって、子どもたちへ信仰の継承を行うことも大変に重要なことである(詩篇78:5~8参照)。信仰の継承に当たっては、親が神を第1としているという姿勢を子どもたちに見せること、親の信仰が2元論的になっていないこと、親が子どもたちに対して真実な姿勢で臨むこと、例えば失敗も見せることなどが大切である。
子どもへの信仰の継承に関して私自身が心掛けたことは、親子で一緒に教会に行くことを習慣としたこと、良き教会や信徒のサンプルを見せるために、韓国の教会(オンヌリ教会)や米国の教会(サドルバック教会)のセミナーに子どもたちを連れて行ったこと、子どもたちに信仰偉人伝をよく読んで聞かせたこと、親が神に感動している姿を見せたことなどである。
しかし、信仰を強制するようなことはしなかった。それは、どこかの時点で子どもたち自身が、神を信じ受け入れることが大切と思っていたからである。幸いなことに、現在私の子どもたちは皆、証しと宣教の召しにフルタイムで献身している。
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(参考並びに引用資料)
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