英カトリック教育サービス(CES)の最近の発表によると、英国のカトリック系学校に通う生徒の3分の1はカトリック信者ではないことが分かった。また、非カトリックの生徒の中でも、キリスト教以外の背景を持つ生徒では、イスラム教徒の生徒たちが最も多いことが明らかになった。
英国のイングランドとウェールズにあるカトリック系の小学校と中学校2200校以上を調査した結果、約85万2千人の生徒のうち、カトリック信者ではない生徒は約28万8千人と、カトリック系の学校に通う生徒の3人に1人が、カトリック信者ではないことが明らかになった。さらに、現在2万6千人を超えるイスラム教徒の生徒たちが、カトリック系の学校で教育を受けており、これは宗教別では、キリスト教(カトリック以外)を背景に持つ生徒に次いで多いという。
この調査は毎年行われているが、今年は初めて、カトリック信者以外の生徒のデータも集めた。
非カトリックの最も大きな宗教グループは、キリスト教諸派で、カトリック以外の生徒の半数以上(約14万8千人)を占めた。そして、次に多いのはイスラム教徒の生徒たちで、約9パーセント(約2万6千人)となった。一方、無宗教と回答した生徒たちは、約22パーセント(約6万3千人)だった。
また今回の調査で、英国のカトリック系学校は最も民族的に多様で、少数派の背景を持つ生徒が、世界の平均より21パーセントも多いことが分かったという。
CESのポール・バーバー所長は、「カトリック系の学校が、英国全体の多様性と統合性のけん引役として機能しているのは素晴らしいことです。異なった信仰を持つ両親や信仰を全く持たない両親が、カトリック系学校の独特で徹底したカトリック精神に価値を見いだしているのです」と語った。
また、「私たちは、他宗教の親たちが、カトリック系学校の持っている『全てを包含する精神』を心地よく感じていると確信していますし、それを公言しています」と付け加えた。
イングランドとウェールズのカトリック系小中学校に通う非カトリック系生徒(28万7934人)の内訳は、下記の通り。
仏教:1175人(0・41パーセント)
ヒンズー教:5855人(2・03パーセント)
ユダヤ教:276人(0・10パーセント)
イスラム教:2万6264人(9・12パーセント)
キリスト教諸派:14万8018人(51・41パーセント)
シーク教:3501人(1・22パーセント)
その他の宗教:1万5195人(5・28パーセント)
無宗教:6万3062人(21・90パーセント)
回答拒否:2407人(0・84パーセント)
分からない:2万2181人(7・7パーセント)