今、世界中のクリスチャンは、パリにある国連教育科学文化機関(ユネスコ)の事務局に聖書を送るよう呼び掛けられている。
なぜか? キリスト教やユダヤ教は、エルサレムの「神殿の丘」やイスラエル国内の他の聖地と深い結び付きがあるが、ユネスコがその関連性を否定する決議をしたためで、この国連機関の職員らにその誤りを示すのが狙いだと、カリスマニュースは伝えている。
キリスト教系シオニスト団体「インターナショナル・クリスチャン・エンバシー・エルサレム」(ICEJ)は、聖書の送付によって、エルサレムにキリスト教やユダヤ教のルーツがあることをユネスコ職員に示すよう、世界中のクリスチャンに呼び掛けている。既に、本文中の「エルサレム」や「神殿」といった箇所が強調表示された数百冊の聖書がユネスコに送付されており、数週間以内にさらに数千冊余りが到着すると見込まれているという。
ユネスコは先月、賛否が分かれていたアラブ諸国が支持する決議を採択した。英BBCニュースによると、その決議では、ユダヤ教最高の聖地であるエルサレムの神殿の丘と、ユダヤ教の関わりが全く言及されていないという。決議では、神殿の丘のイスラム名である「ハラム・アル・シャリフ」ばかりが繰り返し述べられている。
イスラエルはこの決議の採択後、直ちにユネスコへの協力を中断した。決議の中でユネスコは、「パレスチナの文化遺産と東エルサレムの象徴的建造物を守る」のが狙いだとしている。
またこの決議は、エルサレムとヨルダン川西岸の占領地区にある聖地におけるイスラエルの活動を批判している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ユネスコは「妄想による決定」を下したことにより、「不条理の舞台」となったと、フェイスブックへの投稿で語った。
「イスラエルが神殿の丘や嘆きの壁と無関係だと言うことは、中国が万里の長城と無関係で、エジプトがピラミッドと無関係だと言うようなものだ。この不条理な決定により、ユネスコはわずかに残されていた正当性までも失った」
ICEJ総裁のユルゲン・ビューラー博士は、ユネスコの「誤りのある」決議を酷評。「大抵の人は、これらの外交官(ユネスコ職員)らが信念に基づいて働いており、高学歴であると思っている。しかしどうやら、そのうちの幾人かは歴史的教訓を忘れてしまったようだ。彼らに聖書を送り、記憶を新たにしてもらおうではないか」と語った。
また、「さらにひどいのは、ユネスコの代表者の一部が、エルサレムの神殿の丘や、他のイスラエルの聖地と、ユダヤ教やキリスト教の間にある絆を意図的に消し去ろうとしていることだ。私たちの(聖書送付)キャンペーンによって、ユネスコにいるわが国の特使らが勇気づけられ、ユネスコの中にある反ユダヤ主義に対して立ち上がってくれることを期待する」と、ビューラー博士は付け加えた。
聖書学者らは、ヘブライ語聖書とキリスト教の聖書の中でエルサレムは千回余り言及されており、神殿の丘も数百回にわたり言及されていると指摘している。