カレンさんという方に、もうすぐ赤ちゃんが生まれることになりました。カレンさんには3歳になるマイケルという男の子がいます。今度生まれるお子さんは、女の赤ちゃんです。マイケル君はお母さんのお腹の中にいる妹に毎日歌を歌ってあげました。
妊娠期間は順調に過ぎていきました。そしていよいよお産となったときのことです。問題が生じました。どうしても産まれてこないので、帝王切開になりました。そしてついに赤ちゃんが産まれました。しかし、赤ちゃんに異常が見られたのです。すぐに大病院に救急車で連れて行かれました。集中治療室で治療をするものの、赤ちゃんは日ごとに状態が悪化していきました。医師からは最悪の事態に備えておくようにと宣告されました。
マイケル君は両親に妹に会わせてとせがみ続けました。しかし、病院の規則で子どもは集中治療室には入ることが禁じられていたのでした。赤ちゃんが産まれてから1週間がたちました。赤ちゃんはますます弱っていきました。いよいよダメかもしれないという事態になりました。マイケル君は妹に会わせてと懇願しました。
とうとう母親が一大決心をして、マイケル君を集中治療室に連れて入ることにしました。部屋に入ると、すぐに看護婦長さんから「子どもをすぐ外に出してください!」と厳しい声で言われました。しかし、母親はひと目マイケル君にも妹に会わせてあげておきたいと思って、看護婦長さんを説得しました。
やっとマイケル君が生死をさ迷っている妹のそばに来ることができました。すると、マイケル君は歌を歌い始めたのです。3歳の男の子が清らかな声で歌いました。「ユー・アー・マイ・サンシャイン、マイ・オンリー・サンシャイン」と歌い出したのです。
すると、赤ちゃんが初めて反応したのです。マイケル君は歌い続けました。赤ちゃんは確実にその時から状態が良くなっていったのでした。そして、なんと次の日には退院できたのです。奇跡が起きたのです。愛の奇跡と言うべきでしょう。
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