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脳性麻痺と共に生きる相模原殺傷事件

脳性麻痺と共に生きる(14)相模原障がい者施設殺傷事件:障碍者から最も大切なものを奪った 有田憲一郎

2016年7月27日23時36分 執筆者 : 有田憲一郎
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関連タグ:障がい

26日、神奈川県相模原市にある障碍(しょうがい)者施設で「元職員」と名乗る男が刃物を持って施設に押し入り、施設入所者を刃物で襲い19名の死亡者と多くの軽傷者と重傷者を出した痛ましい事件が起こりました。

僕の友人からもメールが届き、またニュースや報道を見て、その悲惨さと犯人への怒りがにじみ出てきそうで、胸が痛い思いです。

入所者を襲った元職員と名乗る男は、警察の聴取に「私がやりました」と容疑を認めています。しかし、誰もが耳を疑うような発言をしています。「障碍者なんて、いない方がいい。障碍者は、死んだ方がましだ」。さらには「重複障碍者は、保護者の同意を得て安楽死させた方が幸せだ」などと、あり得ない発言をしています。

犯行に及んだ障碍者施設に今年の2月まで職員として働いていて、解雇処分を受けています。その後、衆議院議長宛てに手紙を送っています。その内容とは、施設の入所者を狙った殺害の犯行予告文。殺害の手順などが記されていて、職員には手を出さず、障碍を持った入所者だけを殺害し、職員の少ない夜勤帯を狙うということまで書かれていたそうです。

また手紙の中で、こうも書かれています。「障碍者1人にわれわれの税金がいくら使われると思っているんだ。税金の無駄遣いだ。障碍者はいない方が、幸せで平和な社会を築くことができる」

この事件を知ったとき、誰もが唖然とし驚愕(きょうがく)されたのではないでしょうか。僕自身、この事件のニュースを愕然(がくぜん)としながら見ていました。そして、頭の中でさまざまなことを思い、想像していました。

容疑者はもともと、養護学校(現在の特別支援学校)の養護教諭を目指していたとも報じられています。しかしながら、養護教諭にはなれず、障碍者施設に就職したといいます。

当初は、障碍を持った人たちと共に生き、共に歩むという希望に満ちあふれていたものの、実際の障碍者との生活が、理想とかけ離れたものだったのかもしれません。そして、その現実が、容疑者にとって想像を超えたものだったのかもしれません。

理想と現実との大きなギャップがある障碍福祉の現実の中で、容疑者自身は何を思い、何を感じて犯行に及んだのでしょうか。容疑者自身の考え方は、到底理解できるものでも、承認できるものでもありません。それ以前に容疑者自身の人間性に問題があると思いますし、「尊い命を何だと思っているんだ!」「障碍者を何だと思っているんだ!」と容疑者本人にぶつけたい思いです。

ここ数年、障碍者施設や老人施設での事件や事故が多発しているようにも見受けられます。現状として、障碍者福祉において介護職員の人数不足という現実があります。高い理想を持ち、憧れて福祉の世界に入っても、夢見ていたのとは違う、厳しい現実に直面します。

しかし、その現実の中で、障碍者自身と真剣に向き合い、共に生きてくれている多くの方がいらっしゃいます。

介護者不足の上に、介助の他にもさまざまな雑務が多い中で、障碍者本人の希望や要望も受け入れている現実があります。そして、日々の生活で最低限必要な介護と雑務に追われ、本当に大切にしていかなければいけないと思っている障碍者自身との関わりや、介護者自身や障碍者当人がやりたいと思っていることにまで手が回らないということが、障碍者施設の中で実際に起きています。

そんな現実がある中で、容疑者に何があり、どのように変貌し、罪もない障碍者の殺害に至ってしまったのでしょう。

障碍を持って生まれてきた僕は、日常生活を送っていくのに誰かの手を借りなければ生きていくことができません。朝起きて寝るまで、多くの人に支えていただきながら生活しています。そこには、以前に書いた信頼というものが大きく存在しています。

介助をしてもらいながら生活していく上で大切なことの1つに、相手のことを信じるということがあります。それができなければ、生きていくことはできません。生活を支えてもらい、介助してもらうということは、誰かに自分の身を託し、自分の命を誰かに預け委ねるということです。

以前書いたように、僕にとっても、支援や介助を必要としている多くの障碍者にとっても、信頼というものは、それなしに生きていけないものです。

この事件は、障碍を持つ者から、その最も大切な信頼というものを奪い、なおかつ障碍者の存在そのものを根底から否定しました。差別以上の悪質な犯行に、僕自身、強い怒りと憤りを覚えます。

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◇

有田憲一郎

有田憲一郎

(ありた・けんいちろう)

1971年東京生まれ。72年脳性麻痺(まひ)と診断される。89年東京都立大泉養護学校高等部卒業。画家はらみちを氏との出会いで絵心を学び、カメラに魅力を感じ独学で写真も始める。タイプアートコンテスト東京都知事賞受賞(83年)、東京都障害者総合美術展写真の部入選(93年)。個展、写真展を仙台や東京などで開催し、2004年にはバングラデシュで障碍(しょうがい)を持つ仲間と共に展示会も開催した。05年に芸術・創作活動の場として「Zinno Art Design」設立。これまでにバングラデシュを4回訪問している。そこでテゼに出会い、最近のテゼ・アジア大会(インド07年・フィリピン10年・韓国13年)には毎回参加している。日本基督教団東北教区センター「エマオ」内の仙台青年学生センターでクラス「共に生きる~オアシス有田~」を担当(10〜14年)。著書に『有田憲一郎バングラデシュ夢紀行』(10年、自主出版)。月刊誌『スピリチュアリティー』(11年9・10月号、一麦出版社)で連載を執筆。15年から東京在住。フェイスブックやブログ「アリタワールド」でもメッセージを発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:障がい
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