フィジー・メソジスト教会は、教会堂やホール、その他の建物を文部省に提供し、深刻な被害をもたらした熱帯サイクロン「ウィンストン」の被災地で教室として使ってもらうことにしたという。同教会が1日にフェイスブックで伝えた。
これは、同教会の議長であるテビナ・バニバヌア牧師・博士から同日に同国の文部大臣に書簡で伝えられたもの。
バニバヌア牧師・博士は、フィジーで最初の学校はフィジー・メソジスト宣教団によって運営され、学校の建物が建てられるまでは、教室も同教派の教会で行われていたと語った。
「若い人たちの生活がなるべく早く普通の状態にいくらか外形でも戻るようにしようと、フィジー・メソジスト教会は、学校がひどい被害を受けながらも、教会の建物(ホールや教会堂、訓練センター)が助かったり、あるいはごく小さな被害を受けるだけで済んだ所で、文部省がこれらの教会の建物を使ってもよいと決めた(もし必要な小さな修理があればそれを実施した後で)」
「私たちは、この小さな行動が私たちの子どもたちへの助けとなるよう望んでいる」と、バニバヌア牧師・博士は語った。
フィジー・メソジスト教会の「教育のための10年」が開始されたのは、ウィンストンが襲ってきた、ほんの数日前のことだという。
メソジスト教会によるこの最近の申し出は、サイクロンの直後に国家災害管理局からの要請通り、教会のホールを追加的な避難所として開放するようにという、同教会の指導者層から全教区への指示に続くもの。
フィジー・メソジスト教会がフェイスブックやツイッターで参加している「ウィンストンよりも強い(Stronger Than Winston)」という運動によると、このサイクロンによる死者は43人にのぼり、5万3千人を超える人たちが避難し、999カ所の避難所が運営されており、30日間にわたる自然災害状態宣言が続いているという。
同教会によると、同国の首都スバにあるダドリー・メソジスト教会では、4日午後7時から、ウィンストンによって生活を損なわれた人たちと連帯しようと、ろうそくを灯して徹夜の祈祷会が予定されている。
なお、同国へは合同メソジスト救援委員会(UMCOR)も「ウィンストン」の被災者支援を行っている。一方、同国の正教会による宣教活動はサイクロンによって脅かされることはないと、米国アトランタ府主教区のアルキマンドライト・クリストデュロス・パパディアス神父は2月29日に米国の正教会メディア「オーソドックス・クリスチャン・メディア」で記した。