2006年以降、インドネシア・アチェ州では1000カ所の教会が閉鎖されている。
9年前に「宗教間の調和」をうたう法律が施行されてから、イスラム教が優勢のインドネシアでは、宗教的少数派は苦しんでいる。
この法律によると、イスラム教以外の宗教団体が礼拝のための建物を建築する場合、事前にその宗教以外の信仰を持つ地域住民60人以上の署名と、地方当局からの許可を得なければならない。もし教会が、許可された内容通りの建築でないと判断されれば、破壊される。
報じられるところによると、インドネシア国内で唯一イスラム法を実践しているアチェ州では、イマーム(イスラム教の指導者)が教会に放火するよう命じており、またキリスト教徒は定期的に暴徒たちの襲撃に遭っている状況だ。
今月初め、シンクタンク「Gatestone Institute」は「The Indonesia Jihad on Christian churches(キリスト教会に対するインドネシアのジハード)」と題する報告書を発表し、イマームがイスラム教徒に対し、教会に放火するよう先導していると主張した。
報告書によると、「私たちはキリスト教徒を襲い、教会を焼くことをやめません。キリスト教徒はアッラーの敵です」と、あるイスラム教の指導者が語ったという。
ロイター通信は10月、イスラム急進派組織「イスラム防衛者戦線」のメンバーを含むイスラム教徒の住人が、教会の閉鎖を要求したことを受け、数カ所の教会が破壊されたことを報じた。
アチェ州のシンキルでは、教会が焼き払われ、1人が死亡した事件の後、キリスト教徒数千人が逃亡した。地域のキリスト教徒たちが涙を流して見守る中、アチェ州シンキルの警察は、大槌やおのを使用し、小さな木造建築の教会を破壊していった。