他の宗教の教祖とキリストはどこが違うか。
他の宗教の教祖は、ある真理を悟った偉い人ではあるでしょうが、結局は、一個の人間です。釈迦、孔子、マホメット、ゾロアスターなど、みな、死んで、それっきりです。まして、新興宗教の教祖の中には、清くない人、いかがわしい人もいます。
しかし、イエス・キリストは単なる人間ではありません。人間にして神、神にして人間であります。神が人としての本質をもってこの世に来た方です。キリストという一つの人格の中に二性〔神としての性質と人としての性質〕を合わせ持った方です。二性が、混合せず、融合せず、化合せず、分離せず、分割せずに一つに合体している方です(これを、キリストの二性一人格といいます)。
イエス・キリストは、外見は人のようであり、人の言葉を話し、食べ、動き、疲れ、眠りました。しかし、人の心を間違いなく読み取り、民の病気を癒やし、奇蹟を行いました。これは神としての部分の性質であり、働きです。
また、イエス・キリストは「私と父(なる神)とは一つです」「私を見た者は父(なる神)を見たのです」と語り、自らを「神だ」と主張しています。
さらに、イエス・キリストは、愛そのものであられ、多くのわざと言葉によってそれを示し、また、真理を教えました。それは新約聖書の福音書を読めばよく分かります。
そして、キリストは、自らは罪がないのに、全人類のために十字架の上で犠牲の死を遂げましたが、無論、そのままであるはずがなく、3日目に復活し、そして、天に上げられました。今は、神の右におられます。イエスの死は、人が犯した罪による罰を身代わりに受けてくれた死であり、そのゆえに、信じる者は、罪を赦(ゆる)され、神の子とされ、時が来ればからだの復活にあずかり、永遠のいのちにあずかるのです。人の救いの根幹をなしてくれたのです。
いわゆる教祖とは全く違う方なのです。
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正木弥(まさき・や)
1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。
【正木弥著書】
『なにゆえキリストの道なのか 〜ぶしつけな240の質問に答える〜 増補版』
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)