人口の変動や礼拝出席者、教会員が継続的に減少していることを受け、英国国教会は国内の教会のうち歴史のある村の教会を、クリスマスやイースターなどの特別な祝日にしか開けないことを検討していると報じられている。
英国国教会の教会建築検討グループによる報告書によると、多くの教会はもはや持続不可能で、4つの教区に1つは定期的な礼拝出席者数が10人を下回るという。
この報告書は、経済的負担を軽減するため、幾つかの教区の教会をカレンダー上で重要な日と結婚や葬儀の時にのみ使用する「祭礼の教会」に変えることを目的としている。
「祭礼の教会」は、検討グループが提案する「霊的、数量的成長を確保し、公共の用に仕えること」のための広範な変化の一つに過ぎない。
「私たちは、教会を成長させることから離れては、この国の歴史的遺産に対する私たちの大きな責任からくる課題に対して、解決策の一つもないのです」とグループは報告している。
全国社会調査センターが5月に報告した通り、英国国教会は過去30年間にわたって、急激な会員数の減少にひんしている。
調査によると、1983年には英国人口の43%が、英国国教会の信者だと答えているが、2014年にはその割合が17%にまで減っている。現在では、英国人のうち850万人しか英国国教会の信者がいないと報告されている。
宗教的信仰のない人の割合は、英国人口の約半数、49%を占め、1983年の31%を上回った。
移民が増えるにつれて、キリスト教以外の宗教の成長も調査によって明らかにされており、イスラム教は1983年には英国人の0・5%に過ぎなかったが、2014年には5%を占めた。
全国社会調査センターで社会的態度担当リーダーを務めるナオミ・ジョーンズ氏は当時、「ここ10年間で、自分が英国国教会の信者だと答える人の割合はかなり急激に減少し、対照的に無宗教だという人の割合が大きくなりました」と述べた。
「考えられる一つの説明は、英国におけるカトリックと非キリスト教徒の人数が、強い宗教的信条を持つ移民によって増えているということです。 もう一つの説明は、過去において宗教は、人々のアイデンティティーの中で卓越した役割を持っていたからだということでしょう」