【CJC=東京】米国との国交回復に踏み切ったキューバでは、キリスト教に対しても抑圧姿勢が弱まったことから、1959年の社会主義革命以降初めてカトリック教会の建設が進められるなど、宗教活動の自由化がどれほど進むか注目される事態になっている。
これまで教会の中でだけ使用が認められる一方、一般書店では販売できなかった聖書も、5月には規制が撤廃された。
聖書の需要、さらにはキリスト教への関心が高まったことを、「聖書ブーム」と呼ぶ向きもある。7月に宣教団体がキューバに送り出した聖書は8万3000冊に上ると見られる。
米国聖書協会(ABS)は、「人口1100万、識字率もほぼ100%のキューバでは、社会的・経済的・政治的改革の中でキリスト教も予想以上に成長している。それはキューバ市民の多くが、神の言葉の中に生きる指針を見出したいと考えているからだ」と指摘する。
この9月、米国の前に教皇フランシスコが来訪することへの期待も高まっている。教皇が米国とキューバの関係修復に努めたことは広く知られている。