2007年3月の沖縄を皮切りに、日本の諸教会と韓国のオンヌリ教会が協力して、全国各地で8年間に22回にわたって開催してきた大衆伝道集会「ラブ・ソナタ」の働きを振り返り、今後の方向性を語り合う「ラブ・ソナタ日本宣教フォーラム」(ラブ・ソナタ日本全国実行委員会、オンヌリ教会宣教本部共催)が26、27の両日、東京都内のホテルで開かれた。各地域の実行委員長をはじめ日韓の関係者ら約80人が参加した。全国委員長の峯野龍弘氏(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会主管牧師)は、ラブ・ソナタの運動を通して地域教会が活性化し、各地で教派を超えた連帯が生まれ、今も継続していることを証しし、「ラブ・ソナタの愛の流れは、決して終わらせてはいけない」と決意を述べた。
仙台で副実行委員長を務める永井信義氏(東北中央教会牧師)は講演で、「現代社会に御国の福音を届けるために必要な『新しい革袋』(マタイ9:17)、主イエスとの出会いへと導き、良き知らせを分かりやすく伝えるツールとして、ラブ・ソナタはこれからの日本宣教での可能性を示したのではないか」と話した。
永井氏は、「ラブ・ソナタは、地域教会の宣教の働きにプラスとなるだけではなく、地域そのもの、参加するゲスト自身にも祝福となる働き」と述べ、「神の国の福音を、自分にも関わりのあることとして、より楽しく、分かりやすく受け入れることができるツールとして、神の導きの中で、さらに時代のニーズにしっかりと応えていくことを期待する」と語った。
新潟で実行委員長を務める中村敏氏(新潟聖書学院長)は、「(日韓の関係が悪い時)だからこそ、ラブ・ソナタのような働きが大切であり、こうした日韓のキリスト者の宣教フォーラムが必要」と述べ、ラブ・ソナタ開催の目的の一つ、「日韓の教会の和解と協力」を強調した。
故ハ・ヨンジョ牧師の言葉を引用し、「ハ先生がなぜラブ・ソナタを通しての日本宣教に導かれたのかを知ったときに、大きな感動と感謝を覚えた」と述べ、「自分の置かれた場所と時代の中で、日韓の架け橋の一つとなって歩んでいきたい」と話した。
韓国宣教研究院のムン・サンチョル院長は、「トランスフォーメーション的な状況化:日本宣教の総合的なアプローチ」と題して、韓国教会の日本宣教に関する研究成果を発表した。ラブ・ソナタについては、特に各地域教会の持続的な連合に寄与していることを高く評価し、集会後に関連するプログラムを計画的に継続する必要性を強調した。また、「韓流」を活用した文化宣教の成果を評価しながらも、「どこまでも方法であって、文化的優越感を持つのであれば文化的侵略となる」と指摘した。
ムン氏は、「重要なことは、あえて韓国式と日本式を合体させるのでなく、内観(emic view)と外観(etic view)を合わせた文化に対し、状況化(contextualization)と共にトランスフォーメーション(transformation)の努力をすること」と述べ、日韓の教会が互いに内観と外観が調和された統合的な視点を持ち、協力し合うことの重要性を強調した。
オンヌリ教会のイ・ジェフン主任牧師は閉会のあいさつで、「文化の壁を越えるのは愛だけ」と強調し、「神に対する愛とお互いに対する愛があれば、どんな壁も崩すことができる」とラブ・ソナタ運動の継続を訴えた。峯野氏は、ラブ・ソナタが教会外に対する伝道的な側面を持つと同時に、教会内の活性化に貢献する面も風化させてはならないと指摘した。また、各地域にある実行委員会の全国的な交流を継続する必要性を強調し、今回のフォーラムを定期的に開催する考えを示した。