多数の教会指導者を含む南米コロンビアの人権擁護家らが、同国の民兵組織から殺害を予告する深刻な脅迫を受けた。世界教会協議会(WCC)は、他の国際組織と共に、コロンビア政府に対し彼らの命を守るよう要求した。WCCが1月30日に公式サイトで伝えた。
WCC国際問題教会委員会は1月14日、コロンビアの教会指導者たちから、ある民兵組織によって殺害の脅迫をされているという知らせを受けた。それによると、権利や土地の返還、そして和平プロセスの促進に長い間責務を担ってきたことで知られる39人の人権運動家らの名前が、民兵組織「アグイラス・ネグラス」によるリストに列挙され、それが同11日にインターネット上に投稿された。その後、コロンビアの新聞「エル・ヘラルド」もそのことを報じたという。
この民兵組織は、リストに挙げた個々人を軍事的な標的とみなしているとはっきり述べており、彼らを抹殺するという意図を伝えている。リストに挙げられた人権運動家たちの中には、テウサキリョ・メノナイト教会のアグスティン・ジメネズ氏、カリブ海沿岸聖公会のフェルナンド・サンチェス神父、コロンビア長老教会のジャイロ・バリガ氏、ゲルマン・ザラテ氏、ミルトン・メジア牧師、ローマ・カトリック教会のフェルナンド・ゲーリー・マルティネス神父といった、有名なコロンビアの教会指導者たちも含まれている。
「このリストに出ている教会の代表者たちは、WCCがここ何年も共に活動してきた、国際的なエキュメニカル運動の非常に尊敬されているメンバーたちだ」と、WCCのゲオルギオス・レモポウロス総幹事代行は、コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領に宛てた1月29日付の書簡の中で述べた。
「彼らは、コロンビアにおける、いのち・平和・正義と人間の尊厳のための闘いにおける、その卓越したキリスト者としての献身と勇気ある証しで知られている」とレモポウロス総幹事代行は言う。
また、同総幹事代行は、人権と平和の促進に関わっている教会指導者や運動家たちが暴力の標的になってしまったことを「とても不穏だ」と表現。「恐怖という風潮の広がり」を生み出すことによって、そのような脅迫が人権擁護家たちの活動を妨げることになるのではないかと懸念を表した。
WCCは、コロンビアの教会や市民社会と連帯して、コロンビア政府に対し、次のことを要求した。
「脅されている他の全ての人権擁護家たちに加え、上述した教会指導者たちの命と身体の無傷を効果的に守るために、あらゆる必要な措置をとること。3つの脅迫状を書いた人たちに対する正当な裁判と適切な罰を伴う、独立普遍の調査を実施すること。人権の擁護のために活動している人たちの安全と保護に関する義務に留意し、そしてこれに鑑みて、これらの教会指導者たちや人権唱道者たちが、危険なく、また烙印を押されることなく、人権と人間の尊厳を守るための活動を確実に続けることができるようにするために、必要な迅速かつ効果的な措置をとること」
何年もにわたって、WCCは武力紛争を終わらせるためのコロンビアの教会や人々の闘いにおいて、彼らに寄り添ってきた。WCCは同国で連帯の訪問を組織するとともに、その統治機関が人権侵害を非難する公的声明文を発表し、武力紛争の集結を求め、和平会談に向けた措置を取ってきたことを称賛してきた。