[ 問題2 ] クレド
グレゴリオ聖歌「クレド」は、日本に伝来して箏曲「六段」になった。
1 :正しい 2 :誤っている
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正解:1
<解説>
音楽学者・皆川達夫さん(中世・キリスト教音楽を研究し、多数の指揮もされた)の見解によれば、箏曲「六段」は、グレゴリオ聖歌「クレド」が日本に伝来した後で変化したものです。「箏曲『六段』とグレゴリオ聖歌『クレド』~日本伝統音楽とキリシタン音楽との出会い~」というCDも発売されています。
聖歌「クレド」は、「私は唯一の神を信じます。全能の父を。天地の創造者を。見えないもの、見えるもの、全てを創造された神を・・・」で始まる、定型のラテン語の歌詞を持つ曲で、現代でもペンデレッキ(1933~)の作品があります。皆川さんの指摘を要約します。
- グレゴリオ聖歌「クレド」は、織田信長の時代に九州に伝来し、日本でも演奏された。
- キリスト教禁止令が出された結果、歌詞の部分を無くして演奏された。
- 箏曲は声の伴奏に使われることが多いが、「六段」は声楽部を持たない独奏曲である。
- 「六段」は、作曲者が分かっていない。(作曲者の名前はあるが、疑問を持つ人がいる。)
- 「クレド」は変奏曲形式を採るが、この形式は15世紀スペインで発達したもので「六段」もこの形を採っている。
- 「クレド」に「六段」を用いて伴奏をすると、よく調和する。