「言うは易く行うは難し」という言葉を聞いて、「確かにその通りだ!」と思う人は、人生の経験をたくさん積んだ人だと思います。
若い時、大きな夢を描き、それに向かって生きる時期があります。特に、子どもは夢をいっぱい見ます。万能感に満ちて、「何でもできる!」と考えます。「言うは易く行うは難し」ということを痛感した大人が、それでも夢を描き、それでも挑戦するとしたら、膨大な力が必要です。
聖書は、「人にはできないことが、神にはできるのです」(ルカ18:27)と語ります。
これは、子どもが描く夢の原動力とは質が違います。子どもの持つ万能感は、「私には何でもできる!」と考えます。しかし、大人になるということは、夢に描いたとおりに現実はならない経験を何度もさせられるということです。
夢は、簡単にかなうものではありません。「思考は現実化する」と、自己啓発セミナーで学んだことがあります。その時私は、「思考は現実になることもあるけれど、現実にならないことが多い」と思いました。そして、それだから人生は面白いのだと思います。
2020年には、夏期オリンピックとパラリンピックが東京で開催されますが、100歳を超えた人が、「思考は現実化する!」と思い込んで、オリンピックに出場して金メダルを取るなんていうことは、まず不可能です。
夢を描く上で大切なことは、「それができるかどうか?」をあんまり考えてしまうと面白くありません。
(1)しかし、最低限押さえておくべきことは、
1. その夢は、神の御心にかなうか?
2. その夢は、「愛を動機としているか?欲を動機としているか?」を吟味し、愛が動機か?
(2)その二つを吟味したら、次に、夢は、限りなく大きなものであるべきです。簡単に実現するようなものなら、誰がそれを「夢」と呼ぶでしょうか?
(3)夢に対して、現実を直視し、「人にはできない」ということを認めることが必要です。
(4)しかし、「神にはできる!」と信じて、祈り、思い描き、挑戦していくのです。
「言うは易く行うは難し」という言葉は、現実を教えてくれます。現実は大切です。しかし、現実を直視するばっかりに、失敗を恐れたり、安全な道を選ぶよりも、失敗したとしても挑戦する道を選びましょう。
一番恐ろしいことは、「あの時、こうしておけば良かった!?」と後で後悔することです。お互いに、大きな夢を描き、それに向かって挑戦し続ける人生を歩んでいきたいですね。
「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」 (ヘブライ人への手紙11:1)
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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