ジョージア州アトランタ市出身の16歳のジャレッド・ソーヤー・ジュニアさんは、既にもうその人生の半分以上に渡って伝道活動を行ってきたが、12日、正式に自分の務めるバプテスト派教会の副牧師となった。フェイスブックではそのことを称える支持者もいる一方、彼が正規の神学的訓練を受けていないことを懸念する声もあがっている。
「彼のやる気は認めるけど、まずは神学校で学位を取るか、神学を勉強すべき。無能な自称牧師が多過ぎる」と、WSB‐TVのフェイスブックページに投稿したのはマリオン・モリスさん。このページにはソーヤーの按手礼のビデオが掲載されている。このニュースは約5700件の「いいね」を獲得し、1000人以上にシェアされた。ソーヤーさんの副牧師就任についての議論は続いており、何百件ものコメントが寄せられている。
「神の言葉を伝えるのに『学位』なんて必要ない。神様が召命して、我々はそれに答えるだけ。必要な資格を与えるのは神の言葉で、神学校ではない」という投稿はデニス・ベイツさんから。彼はフェイスブック上でソーヤーさんを弁護するコメントをいくつも載せている。
ソーヤーさんは6年間に渡って伝道組織(ジャレッド・ソーヤー・ジュニア・ミニストリーズ)を自ら率い、12日にアトランタ市北西部のセンターヒル・バプテスト教会で按手を受けた。その瞬間について、ソーヤーさんの母親は、まさか実現するとは夢にも思わなかったと語る。
「こんなことが本当に起きるなんて全く思ってもみませんでした」とソーヤーさんの母親。「息子が自分の使命だと常に言っていたことが実現するのを、生きている間に見られて感謝しています」と言う。
彼女によれば、ソーヤーさんが神を賛美し始めたのは2歳のときで、聖書を読み始めたのは3歳のとき。5歳で洗礼を受け、それと同時に伝道師になりたいと母親に告げたという。
「この職に就くことができて、とても感謝しています」とソーヤーさんはWSB‐TVに語った。「神様が僕をお召しになってこの職につけてくれたことに、とても感謝しています。さもなければ他のことをしているでしょう」「これまでの10年間、僕が伝道のためにしてきたことは絶対に正しいんです。神様が僕をお召しになってさせたことなんです」とソーヤーさんは付け加えた。一方、ソーヤーさんは、その時期が来たらモアハウス・カレッジで神学を学ぶ予定だと伝えられている。
しかしながら彼を批判する人々は、そもそも説教台に立つ前に神学的訓練を受けるべきだと主張する。ソーヤーは11歳の時に「幼い私を派遣せよ」という説教を行った。
「聖書の知識も充分でない自称牧師が多過ぎる」と、マリオン・モリスさんはコメントする。「神の言葉を伝える指導者の導きとなるのは、人間による教育ではない」と示唆するコメントに対しての反論だ。しかし、「伝道を行うには神学的背景が必須」とモリスさんは付け加える。「若くして牧師になりたいと思うのは称えるけど、『召された』だけではいい牧師になれないことを理解するべき」と言う。
その一方、ソーヤーさんの副牧師就任のニュースを受け、神学校の学位の有無に関わらず、彼は「優れた伝道師」になれるという声もあがっている。
「神学を学べとか神学校に行けと言う人達がいるけど」と言うのはアンドリュー・マッキニーさん。「僕はどちらとも言えない。僕の知っている多くの伝道師(偉大な伝道師も含めて)は、学校に行って牧師になったわけではないけど、きちんと神の言葉を伝えている。もちろん、彼が神学校に行きたいというなら・・・彼の勝手だ・・・別に問題はない」と言う。
彼が前後を誤っているかどうかの議論はさておき、ソーヤーさんはオンラインで支持者の励ましの言葉に礼を述べた。
「今日の出来事で人生が変わりました。たくさんの愛、たくさんのサポートのおかげです」とソーヤーさんは自身のフェイスブックにコメントした。「僕の伝道活動も新しいレベルに達しました。副牧師に就任!今まで生きた16年間、そして11年間の伝道活動で僕を祝福してくれた全ての人達に神のご加護を!」とコメントを残してる。
ソーヤーさんは昨夏に『I Belong to God: Staying On the Christian Path to Success』という著書を出版している。彼の他にも伝道師または牧師となる召命を受けたという若者は何人かいる。昨年は、6歳のときから伝道を行っている19歳のコートニー・メドウズさんが、アラバマ州ホワイトホールのファースト・ミショナリー・バプテスト教会の牧師に就任した。アメリカで最年少の牧師は、エゼキエル・ストッダードさん。まだ12歳だが、メリーランド州キャピトルハイツにある彼の両親が率いる独立系のフルネス・オブ・タイム教会で活動している。