【CJC=東京】エジプトの首都カイロのギザ地区で10月20日夜、バイクに乗った男がコプト教会付近にいた人々に向けて発砲し、8歳の少女を含む3人が死亡、9人が負傷した。
バイクに乗り覆面をした男が、結婚式を終え教会から出てきた参列者に向かって手当たり次第に発砲した。犯行声明は出されていない。
コプト教会指導者が、イスラム同胞団系のムハンマド・モルシ大統領の排除に協力したとして、イスラム教徒の反感を買い、狙撃の対象にされている。
ベシャイ・ロッフィ司祭は、6月末以後、教会を警察が警備しなくなった、とメディアに語っている。
軍部の最高指導者アブドルファターフ・アッシーシ将軍が、モルシ大統領の権限は剥奪された、とテレビで発表した際、コプト教会の最高指導者タワドロス2世教皇が、傍らに写っていた。
タワドロス教皇は、アッシーシ将軍によって示された「ロードマップ」が、エジプトの最善の利益を願う高潔な人たちによって案出されたものだ、と語った。イスラム教徒の中には、モルシ政権打倒の黒幕が教会だと見る者がおり、コプト教徒を狙い撃ちし、店舗、居宅、事業などを襲撃するようになった。教皇自身も脅迫されている。
コプト教会は紀元50年にアレキサンドリアで創設された。現在800万人強の信徒はエジプト人口の1割を占めている。