聞き方に注意
ルカの福音書8章4~18節
[1]序
今回は少し長い箇所です。まず全体の流れに注意、次に15節に集中。
[2]「どんな意味か」(9節)
(1)4~15節と16~18節の結び
「神の国の奥義」(10節)。「神の国」とは、すでに何回も教えられてきたように、主なる神の統治の事実。主なる神は、神のことばを通して統治なさる。神のことばは、小さな種やあかりのようなもの。それは必ず実を結び明らかにされる。この事実に意を注ぐことこそ鍵です。
(2)「このたとえの意味は」(11節)
①9節、弟子たちの質問
11節、主イエスの答え。しかし弟子たちの質問は、8節後半に見る主イエスの叫びにより引き起こされています。
②5~8節のたとえ、11~15節に見る意味
(イ)種は神のことば(8章21節とマルコ3章35節比較)。
(ロ)種が実を結ぶのをさまたげるものがある。
(ハ)聞き方に注意するとは、実を結ぶように聞くこと(15節)。
[3]「良い地に落ちるとは」(15節)
(1)「正しい、良い心でみことばを聞く」
(2)「しっかりと守り、よく耐えて」
神のことばの確かさ(イザヤ55章10、11節参照)、希望に心を強められ、生活と生涯を通して義務を果たし続ける歩み(21章15~19節参照)の中で。
(3)「実を結ばせるのです」
神の統治は必ず明らかにされます(17節)。
「実を結ぶ」のは、
①私たちの生活と生涯で今すでに、
②神の国全体のご計画(創造から新天・新地)の中で、
いまだ、しかしやがて必ず。
[4]結び
(1)神のことばに対する態度、私たちの責任。たとえの最初の三つの場合に注意。
(2)神ご自身の導き、聖霊ご自身の働きの約束。
ヨハネの福音書14章26節
「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。」
ヨハネ15章26、27節
「わたしが父のもとから遣わす助け主、すなわち父から出る真理の御霊が来るとき、その御霊がわたしについてあかしします。あなたがたもあかしするのです。初めからわたしといっしょにいたからです。」
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。