東京都中野区で開催されたジョセファット・ガジマ大会二日目となった11日の東北復興プログラムで、東日本大震災被災地の気仙沼第一聖書バプテスト教会牧師嶺岸浩氏が震災を経て得られた内なる声に従う力強い信仰について証しした。
震災で嶺岸氏の牧会する教会が流された跡地には現在荒削りの十字架およびプレヤーセンターが建てられ、同センターにおいてはクリスチャン支援団体サマリタンパースによって聖別の祈りも捧げられている。
震災から1年7カ月が経過した11日、嶺岸氏は「どれだけ多くの人たちが祈り、教えをしてくださったかということに本当に感謝です。世界中の教会、支援団体の方々、牧師先生、宣教師の方々がたくさん来てくださいました」と伝え、東日本大震災以来自身の信仰がどのように変えられてきたのかについて証しした。
震災当日の津波から間一髪で自家用車で津波から逃れることができた嶺岸氏は、震災を通してヨブ記1章21節「主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな」、第一テモテの手紙6章7節「私達は何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません」という御言葉によって、「神様が私の内側に現された」と伝えた。
イエスと聖霊にだけ頼るキリスト者へ
大の読書家でもある嶺岸氏は、震災で教会が流された際、蔵書がすべて流されたことに対し残念な思いを隠しきれず主に祈った際、「イエス様から『嶺岸、おまえは今まで神学書や注解書、その他の本に頼っていたけれども、これからはわたしと聖霊だけに頼りなさい』との内なる声がありました。それから主の御前にひれ伏して、『本当に主に信頼して歩んでまいります』と告白し、主に祈り続けることで礼拝のメッセージを伝えていくようになりました。キリスト様が、聖霊様がそのような私を助けてくださいました。今私は内なる声に祈ってポイントを整えるだけで(原稿を書かずとも)メッセージができるようになりました。イエス様の憐れみの故です」と証しした。
一方で嶺岸氏は、「本が嫌いになったわけではありません。今もたくさんの本を集めています。日本人として漢字文化圏に生まれ、美しい文章に出会えることを本当に感謝しています。本を読むことで人間的な幅が広がります。若い人たちには、本を読むことを勧めたいと思います。新しい言葉に出会い、自分の人間性を高めていくことができる。そういう面で本は好きですし、聖書は大好きです。聖書を読みながら、いろいろな良い文章に出会って、出会ったものを他の人々に分け与えたいと思います」と述べた。
嶺岸氏はキリスト教の信仰者として改めて主イエス・キリストに「従うこと、悔い改めること」を促し、「イエス様がなそうとされることを邪魔しないで受け入れてください」と勧めた。
「白い衣」を来たイエス・キリストに出会う
また東北の被災地でイエス・キリストの信仰を持つに至った兄弟の証もなされた。嶺岸氏は被災地でのゴスペルコンサート、東北希望の祭典を通してイエス・キリストを信じるに至った新聞配達員の兄弟が、イエスを信じる決心をした後、自宅から新聞配達に出掛けようとした際に、玄関でイエス・キリストに出会う経験をしたという。嶺岸氏がその兄弟にイエス・キリストに出会った時のことについて聞くと、その兄弟は「顔は見なかったが、十字架の真っ白い衣を着ていた」と答えたという。
被災地復興支援のために奉仕しているサマリタンズ・パースの働きの尊さについても証しがなされ、嶺岸氏は「アルコール中毒だった大工さんが、サマリタンズ・パースで働くようになりました。それまでの彼の工事現場とは全く異なる雰囲気であり、何も職場の人間の間で悪口を言うことなく、賛美と祈りを通して働いていたサマリタンズ・パースの人たちの姿の中で、彼は全く新しい世界を見るようになり、サマリタンズ・パースに関わることを通して、彼の心が少しずつ変わり、そうした環境を通してイエスを信じるようになりました」と伝えた。
震災を通してイエス・キリストを信じる人々が生じる中にあって、嶺岸氏は福音伝道について「大切なことは、人々と関わりを持ち続けることにあるのではないでしょうか。伝道の方針としては、これまではあまり外に出ていなかったことを、今思うと反省するところではあります。震災以来、私は外に出て行くようになったと思います。多くの人々との出会いを通して、福音を外に広げていくことができるようになりました。もっと人に接して、イエス様の福音をさらに伝えて行くことが、本当に大切であると改めて思いました。外に出て行くことを通して、福音をとにかく伝えて行く使命に生きていくことができます」と述べ、会場に集まったキリスト者らに対し「もう一度、ひたすらに献身してイエス・キリストに歩んでいこうではありませんか」と呼び掛けた。
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