二つの翼日本カンファレンスは昨年8月11日から13日まで中野サンプラザ(東京都中野区)で開催され、国内では異例の千名余りの牧会者と一般信徒らが集った。その後10月に1段階伝道訓練、11月に2・3段階定着・養育訓練、今年1月に4段階弟子訓練、5月に5段階弊紙訓練、そして10月の6段階再生産訓練へと進行されるに至った。
今回の集中訓練の講師を務めた社団法人二つの翼宣教会代表でプンソンハン教会担任牧師のキムソンゴン氏は、「150年のプロテスタントキリスト教史の中で、クリスチャンの割合が1パーセントに満たない現状が続く中にあって、日本で多くの牧会者と働き人が参加し、6段階まで集中訓練を行えたのは神様の恵みであり、その歴史の現場で用いられたことに感謝しています。今回、日本の集中訓練終了が終わりではなく、日本で吹き始めた二つの翼運動の風によって神様が新しいリバイバルを与えてくださることを確信し、期待しています」との感想を伝えた。
今回の6段階再生産訓練をもって1年3カ月間のカンファレンスと集中訓練が終了するに至り、二つの翼宣教センターは同センター顧問として尾山令仁氏(聖書キリスト教会会長牧師)、有賀喜一氏(リバイバル聖書神学校校長)、朴エステル氏(ホサナ福音キリスト教会主任牧師)が就任、および地域長を支援する10名の役員が任命された。
二つの翼養育システムは、伝道から定着、養育、弟子訓練、兵士訓練、再生産訓練まで、健康な牧会と宣教を志向するシステムで、このシステムによるプロセスを通して、すべての教会が特別な土壌づくりなしに適用することができ、伝道小グループ「オープンセル」を通して、すべての信徒が伝道する体質改善が生じることが目的とされている。第一コリント人への手紙1章10節に書かれてあるように「みなが一致して、同じ心をもって」同じ実りを結ぶ卓越した一般信徒のリーダーが同システムによる訓練を受けることで9カ月以内に生じることができるようになるという。何よりも神様がデザインされた健康な教会への本質の変化を強調しているという点が、このシステムの特徴となっている。
~二つの翼は日本民族に一番適している~
今回の日本集中訓練に参加した練馬グレースチャペル牧師の小笠原孝氏、新松戸リバイバルチャーチ牧師の清沢さちえ氏はそれぞれ「集中訓練に参加している間、強力な聖霊の油注ぎを通して、驚くべき回復を経験しました。祈りが回復し、従順すれば神様が造り上げて、用いてくださることを悟りました」、「牧会者自身がまず変わらなければならないという御言葉を聞く度に挑戦を受けました。これから、心配や恐れを信仰によって打ち勝ち前進しようと思います。二つの翼養育システムを通し二つの翼で飛び立つと信じています」との感想を述べた。
キムソンゴン氏は訓練終了後の記者会見で、「6段階ある集中訓練を終了するのは難しいです。イエス様は弟子を選ばれるためにお祈りしてから選ばれました。信念と良い意味での執念がある弟子たちを選ばれました。6段階の集中訓練も強い心がないとできない訓練です。ですからこの訓練を終えた方々にはすごく期待できます。日本の教会が回復していくことを期待しています」と述べた。
またこのような6段階にわたるシステムによる弟子訓練を行う意義について「人の変化はそう簡単には起こりません。強力な弟子訓練をもって世の中の価値観から神の国の価値観に変わる様にする必要があります。マタイの福音書28章18節から20節に書かれてある通りです。しかし弟子訓練において焦ったり早く結果を得ようとするとビジョンを成し遂げることはできません。目の前に見えることを求めても本質的な変化をもたらすことはできないでしょう。私はこの世のどんな民族よりも、日本の方々が二つの翼養育システムを一番適応できる方々であると確信しています。あとは時間の問題であると思います。日本も霊性は根がしっかりしていると思います。日本の方の気質や霊性に二つの翼養育システムは適しています。時間が経つほどより光が増して行くと思います」と述べた。
~まずは1対1の対話から~
二つの翼養育システムによると、大グループの礼拝と小グループの共同体のバランスのとれた教会が健康な教会であるといえるという。日本の教会では礼拝での説教や神学講義・書物が整っている一方、小グループの家庭によるセルグループの集まりの成長が難しいという問題がしばしば見られているといわれている。このことについてキムソンゴン氏は「日本ではなかなか家庭をオープンにされない傾向があり、すべての物に魂や意味が宿っているという考え方があるといわれています。そのためなかなか物を捨てずに家庭にしまってしまうため、家が散らかってしまうのであまり家を他人にオープンにされたがらないということが一つの要因ではないかと聞いたことがあります。しかし私はそれはひとつの固定観念であると思っています」と述べた。
日本家庭セルグループの集まりの発展可能性について「福音を悟り、魂を救わなければという情熱があり、主を愛していれば、自分の家をセルグループの集まりのためにオープンするのは何の問題もないことです。福音が入ることでそれまでなかなか家庭やプライベートを見せたくないと考えていた人が一歩一歩心を開いていくことができるようになります。家庭でのセルグループで影響を受け、自分の家でもセルグループを開いてみたいと思うようになられた女性の話ですが、彼女はセルグループを開く前に一週間家の掃除をし、これまで飾ったこともなかった花をテーブルの上に飾るようになりました。その結果家庭が以前と完全に違う雰囲気になりました。それまで家庭になかなか帰らず外出ばかりしていた夫が家に良く帰るようになったそうです。しかしもし家庭でのセルグループが難しいと感じられる場合は、最初からセルグループでの活動をしようとせず、まずは喫茶店などで1対1で相手の心を開いていくことで、最初から家庭をオープンする負担を与えないようにするとよいでしょう。1対1の対話によってその人の心に福音を届け、それから小グループの家庭での集まりをオープンさせていくというプロセスをとってみると良いのではないかと思います」との見解を述べた。
来年2月20日から22日には韓国釜山ベクスコ(BEXCO)を会場に「2012二つの翼国際カンファレンス」が開催される。二つの翼宣教センターによると、これまで二つの翼カンファレンスには全世界40カ国以上、1万五千以上の教会が参加し、驚くべき変化とリバイバルを経験しているという。日本からも毎年多くの牧会者と一般信徒らが参加しており、すでに来年のカンファレンスに向けて着々と準備が進められているという。
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キムソンゴン牧師 略歴
東亜大大学院、総神大神学大学院、米国のICURPSで牧会神学博士(D.Min)の学位を受け、現在プンソンハン教会の担任牧師、(社)二つの翼宣教会の代表、韓基総統一宣教大学の理事長。著書に『世の中で最も健康なプンソンハン教会のはなし』『二つの翼 ビジョンⅠ、Ⅱ』『わしのように飛ぶ』他多数。