~日本の教会が成長するために必要なこととは?~
ガジマ氏:日本の人口1億2千万人の中でクリスチャンの人口は1パーセント以下となっています。今日本の教会がやらなければならないたくさんの仕事があります。1億2千万人全てが天国に行かなければなりません。積極的な態度で伝道することが必要です。積極的な態度で伝道するには、まずビジョンと思考を広げることが必要です。大きな教会を作るために、大きなビジョンがなければなりません。そして宣教を戦略的に練って行かなければなりません。大きな教会を作りたいと思っても宣教の戦略がなければ目標にたどり着くことはできません。そしてその戦略を達成できるように教会のリーダーシップを形成して、迎え入れる多くの人々に対応することができるようにしていかなければなりません。
そして教会成長のためには、伝道と祈り、リーダーシップが不可欠です。伝道は人々を天国に導く方法であり、祈りが人々を天国に運ぶ力となります。そしてリーダーシップは人々を教会に保つために必要です。イエスを受け入れて教会に来るようになっても、力強い祈りとリーダーシップがなければ、教会に行くのを止めてしまうようになってしまいます。というのも、人々は何か人生や身体に問題がある時に教会に行きます。病気やストレス、経済問題などの解決の方法を探しに教会に来ます。そして問題が解決されるようになると、そのうちに教会から離れてしまいがちになります。あるいは逆に、教会に行っても問題が解決されないときも、あきらめて教会を離れてしまうということもあります。教会員のためによく祈り、教会員の問題が解決できるように、そして問題が解決された後も恵みに満たされて教会に残ることができるように祈る必要があります。
また教会でイエス・キリストの教えが良くなされるべきです。基本的なキリスト教の教えを教会員が受け、救いや誘惑、信仰の敵についてきちんと知るようにならなければなりません。そして教会員が聖霊によって導かれ、清められていくように導いていく事が必要です。
日本での伝道は難しいと言われていますが、タンザニアでも伝道は同様に難しいです。タンザニアはイスラム教国であり、イスラム教は仏教よりもキリスト教の伝道に対して暴力的な手段で対抗する傾向があります。一方で日本は丁寧な国であり、平和な社会が形成されています。この日本ならではの丁寧さをもって、平和な社会を良く用いて人々をキリストに導いていくことが大切だと思います。日本での伝道の難しさのひとつの要因として、「本音」と「建て前」という文化があるのではないかと思います。このような本心をなかなか伝えようとしない文化が伝道を難しくしているのではないでしょうか。また互いのプライバシーを尊重し、相手の個人的な信仰にあえて踏み入らない社会というのがあると思います。このような文化の中にあって、日本のクリスチャンが、イエス・キリストを告げることを恥じることなく、堂々と伝えていかなければならないと思います。
~聖会で受けた恵みを保ち続けるには?~
ガジマ氏:聖会に参加したときは恵まれたとしても、聖会が終わって、世の中の文化に囲まれた中で生活していると、やがて受けた恵みから離れてしまうようなときは、受けた恵みの源がどこにあったのかを思い出してみてください。
あなたが聖会で最も受けた恵みは説教からでしょうか、それとも賛美からでしょうか?もし賛美があなたを最も恵みで満たしたのであれば、いつも賛美するようにしてください。あなたの心を満たす賛美の曲があなたをいつも覆うようにしてください。説教が最もあなたを恵みで満たしたのならば、いつも説教を聞くことで恵みを保つようにしてください。そのようにしてその恵みの喜びを維持していくことが必要です。一方で世の中にいて、教会から離れ、讃美歌以外の一般の歌謡曲などを聞いてしまうと、心に受けた平安を奪ってしまいます。そのような音楽を聞くのが楽しいとしても、心は満たされない状態になってしまいます。
また日々聖書を読むことがとても大切です。ただ読むのではなく、聖句一文一文について「どうしてなのか?」と自問しながら、その自問に対する答えが得られるように祈りながら、聖書を読んでみてください。そうすることによって疑問に対する答えが得られるようになっていきます。そのようにして得られた答えを他者と一緒に分かち合ってみてください。
箴言4章23節では「力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれからわく」と書かれてありますが、世の文化の中にあって、悪い関係を避け、悪い文化によってあなたの心から平安が奪われないように、あなたの心を命をかけて見張ることが必要です。そのようにするなら、いつもあなたの心は幸せに満たされるでしょう。
===============================================================
ジョセファット・ガジマ氏 略歴
タンザニア、ムワンザ市生まれ。4歳の時に事故により脊椎損傷し、10歳で全身麻痺に。寝たきりで6年間過ごし、医者に死を宣告されるも、夢でイエス・キリストに出会い、全身麻痺から奇蹟的にいやされてクリスチャンになる。2001年より4つ目の開拓教会として、単立Glory of Christ Tanzania Churchをダニエルサラームに開始する。同教会は現在東アフリカで最も急速に成長している教会として有名である。
(取材・インタビュア 吉本幸恵)
前ページはこちら