英国の地域教会で若年層および子どもたちへの効果的なミニストリーを行うための全国規模のトレーニングコース「ルート66」を展開し、ケズィック・コンベンションその他キリスト教イベントや地域教会で若年層を対象としたミニストリーを率いてきたデーブ・フェントン氏は、現代英国における青年ミニストリーの現状について、教会と子どもたちの両親が青年ミニストリーにおける焦点を間違った視点で見てしまっているのではないかと指摘した。
フェントン氏は英国の青年ミニストリーは行事の「寄せ集め」のようになってしまっており、青年ミニストリーの指導者をその人物に与えられている賜物よりも年齢を優先して決定してしまっている傾向があることに疑問を投げかけた。
フェントン氏は「なぜ私たちは青年ミニストリーからまだまだ若い人たちを卒業させてしまうのでしょうか?青年ミニストリーの指導者は冷静できちんとした身なりをした人でなければならないのでしょうか?そしてなぜ私たちは彼らに聖書を教えることにしり込みしがちなのでしょうか?」と述べた。
フェントン氏は青年ミニストリーの指導者として情熱とエネルギー溢れる人が奉仕することは素晴らしいことであるが、一方で諸教会は青年ミニストリーの指導者としてより成熟した指導者を取り入れることも重要であると指摘した。
青年ミニストリー指導者に年のある信仰の成熟した指導者と若くエネルギー溢れる指導者を混ぜ合わせることが、より良い弟子訓練教育を行うのに効果的ではないかと提案し、「年の若い青年ミニストリー指導者も必要ですが、あらゆる年齢層において本当の弟子訓練のモデルとなるような教育を提供できる人物が必要です。そして青年クリスチャンたちを真実の信仰にあって正しく成長させていかなければなりません。青年ミニストリーの指導者として必要なことは、子どもたちを愛することができて、彼らと時間を共にするのを心から喜び、彼らの話を聞くことができ、また彼らの持つ疑問に良く対応することができることです。地域教会で青年ミニストリーの指導者を決めるとき、あまりに早く応急的に決めてしまいがちですが、時間をかけて青年たちと良い関係を築いていける指導者を選んで行く必要があると思います」と述べた。
また青年の両親も教会に対する見方、自分の子どもたちを何のために教会で時間を費やさせているのかを改めて考えて見る必要があるのではないかと指摘した。
フェントン氏は英国の一般的なクリスチャンの両親の傾向として、ただ子どもたちを教会に行かせることだけに配慮して、教会の中でどのような弟子訓練を受けるべきかにはあまり配慮できていないのではないかと指摘した。
また教会にとっても、子どもたちに教会で楽しい時間を過ごさせなければならない「プレッシャー」があることを指摘し、「しかしその中身はどうでしょうか?彼らに聖書をきちんと教えられているでしょうか?この点が英国教会の青年ミニストリーの最大の弱点だと思います。一般的な見地で言えば、私は英国諸教会の青年ミニストリーにおいて聖書を良く教えることができているとは思えていません。私たちは青年たちに良い弟子訓練を行えるように準備していく必要があるでしょう」と述べた。