ポルノ依存症を克服し、クリスチャンとして生まれ変わった女性クリスタル・ルノーさん(26)が、米ABC放送で信仰の証しを行った。ルノーさんは10歳の頃あるポルノ雑誌を読み始めたことがきっかけで、ポルノ依存症となった過去を著書を執筆して赤裸々に告白した。
ルノーさんは少女時代、「ポルノが私のかけがえのない、今まで会ったことのない友達のようになりました。いつもポルノに依存していて、そのことで自分の生活を満足させていました」という。
ルノーさんは教会の説教や牧師の助言によりポルノ依存症を克服できたわけではなかった。というよりも教会の姉妹のポルノ依存症に関する問題はまず教会で取り上げられるようなことはなかった。教会ではポルノ依存症が罪であることを言及してはいたが、それ以上の詳しいことについては一切触れることはなかった。
彼女の著書では、十代の頃ポルノ依存症により、実際に異性と性行為を行う目的でホテルで待ち合わせを行った経験について書かれている。
ルノーさんは米ABC放送の番組で「ホテルに行って、ある男性と会うために室内に待機していました。しかしその日、男性を待っている最中に神様がそのとても暗い場所で私に会いに来てくださったのです。本当にあの場所は私が今まで経験したことのないくらいに深く暗闇に包まれた場所でした。その時私は自問しました。『神よ、なぜあなたがこのようなところに来られるのですか?私が今したいと思っているすべてのことは、8年前にあの雑誌を見て何かを感じ、とてもだらしがなく潜在的に危険なことを行うためにこの部屋にいるのに・・・』そのように自問しているうちに、これから自分が異性を招いて行おうとしている行為がどんなに暗い行為であるかを悟るようになりました。そしてこの様な暗い道から抜け出せる道を提供してくださるのが神様であることに気付いたのです。神様はそのとき私に『クリスタル、もしあなたがわたしの道に戻るなら、わたしはあなたにとても多くのもの、とても偉大なものを与えたい』と語りかけるのを聞きました。そして私は『主よ、もしあなたがここにおられるのであれば、これからこの部屋に入ってこようとする男性を退けてください』と祈りました。その後(待ち合わせをしていた)男性がやってきてホテルの部屋のドアをノックしてきました。しかし、そのノックの音はしばらくして止みました」と証しした。
その2週間後、クリスチャンのコンサートを行っている会場で彼女と同じように過去にポルノ依存症だった女性と出会うことになった。その女性はルノーさんを必要としており、互いに証しをし合った。そしてルノーさんは最終的にイエスキリストとの関係性を変化させることができ「私が主の癒しの力に完全に覆され、私の人生のすべてを主に委ねたからこそ、これまでの淫らな生活を克服することができたのです」と証しした。
2009年にルノーさんはウェブサイト上で「ダーティ・ガールズ・ミニストリーズ」を立ち上げ、一週間以内に300件ものレスポンスを得ることになった。彼女のミニストリーの目的は、ポルノ依存症となっている女性に立ちはだかる壁を打ち壊すことにあるという。
彼女は、教会は女性のポルノ依存症の問題については沈黙を保ったままであることに懸念を示している。ルノーさんによると、年々オンラインサイトを通じてポルノ依存症となる女性の数は増加傾向にあるという。さらに女性のポルノ依存症は、最終的に欲望を満たすために実際に異性と出会うようになるためより危険であると指摘する。
彼女の著書「ダーティー・ガールズ・カム・クリーン(汚れた少女よ、清くなりなさい)」によると、全米のクリスチャン女性のうち25パーセントの姉妹がポルノに依存する傾向があり、そのうち70パーセントの姉妹はその問題を誰にも打ち明けようとしないという。
ポルノ依存症克服を支援するために立ち上げられたウェブサイト「XXXチャーチ」創設者のクレイグ・グロス氏は米クリスチャンポスト紙に対し、「男性のポルノ依存症というのは咄嗟的で単純、自己満足的なものなのですが、女性のポルノ依存症はより現実逃避行為に近いものが見られます。男性のポルノ依存症は目に見えやすい行われ方であるのに対し、女性のポルノ依存症はより自己の内面において感情的となり他人の目に見えにくいものとなる傾向があります。女性は男性とは違うレベルでポルノ依存症の問題と葛藤し、それが後に実際の異性との関係に至った際に自身の中で摩擦を引き起こしているように見えます」と見解を述べている。
ルノーさんは自身のポルノ依存症克服経験から「ポルノ依存症について知るべきことは、この問題は性に関する関心以外のところにあるということです。ポルノ依存症となる核心は内的な秩序の乱れにあります。心の中心で癒されていない傷があるとき、その傷を間違った方法で癒そうと考えることにポルノ依存症の原因があります。ポルノ依存症になる女性は、彼女たちの人生で受けた心の痛みに対処する手段としてポルノを利用しているのです」と述べている。
米ABCの放送によると、ポルノ依存症女性の78パーセントは家族からの愛を受ける経験を得られなかったり、虐待されたり無視された経験があるという。ルノーさん自身も両親からあまり愛を受けずに育てられる環境にあった。父親はしばしば仕事で自宅を長期間離れ、また母親も同様に仕事に忙しい毎日を送っており、またうつ病を患っていたという。
ルノーさんはポルノ依存症との葛藤の最中にあったとき、女性のポルノ依存症克服に関する書籍を探したが見当たらなかったことをきっかけに、彼女自身がポルノ依存症から克服するための本を執筆するに至ったという。
ルノーさんは「もしこの本があなたの心に響くとしたら、神様があなたの心のなかに大きな穴を空けておられ、それに気付かずに過ごして来られたのだと思います。そしてあなたを力のない者にしようとする依存症に直面しているのだとしたら、ただ神様に依存することだけによってそれを克服することができるようになります」と著書の中で述べている。